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13階のないホテル?

瀧澤信秋ホテル評論家
(筆者撮影)

みなさん忌み数(いみかず)は気になりますか?イメージの部分が大きいかと思いますが、縁起のいいとされる数字、悪いとされる数字というのは確かに世の中で定着しています。ホテルステイでいえば、時々目にするのが“階数飛ばし”。個人的にはあまり気になりませんが、今日泊まっているシティホテルのエレベーターボタンにも13階がありませんでした。

13という数字が欧米では(宗教的なこともあって)忌み数として忌避されるというのはよく聞く話です。ちなみにいま泊まっているのは日本の地方にあるホテルですが、国内のホテルを対象として評論活動しているところ、時々誤解されて海外のホテル評論の依頼が来ることもあります。

もう20年以上海外へは行っていませんので-と答えると意外なようで驚かれるのですが、ホテルといえば国内に外資系ホテルが溢れているように、海外とのつながりを感じる部分も確かにあります。海外のホテルに詳しい友人に忌み数について話を聞くと「日本以上に海外ではその傾向(13階がない)がある」とのこと。

国内のホテルに宿泊していて、今日のように13階がないホテルはいくつか見てきましたが、全てフルサービスのシティホテルでした。13を忌み数として捉える欧米ということもあり、外国人も多く訪れるインターナショナル要素の強いシティホテルならではの階数飛ばしなのでしょうか。

忌み数といえば日本では“4や9”がイメージされますが(死や苦をイメージ)、階数というよりも部屋番号に4や9を省いているのは何度か目にしたことがあります。前出の友人の話では、4を省くことについては階数飛ばしも含め、日本以外のアジア諸国でも多く見かけるとのこと。自身の経験としては、その昔住んでいたマンションは404号室だったのですが、来訪した友人から「気にならない?」と言われて、そういえばそうかと思ったことがありました。

気にしない人もいれば気にする人もいる微妙な部分なのでしょうが、マンションやビルでも階数や部屋番号を飛ばすケースはあって、数字といえば、身近なところでは車のナンバープレートでも忌み数だと変更したり、忌み数ではなくてもお気に入りの数字(個人情報の問題はさておき-誕生日など)指定する人も多いですよね。 

(筆者撮影)
(筆者撮影)

話を戻して、ホテルでいえば4号室や9号室がないホテルは間々見かけるも、4階や9階がないホテルについては、稀にあるとは聞いたことあるものの自身の記憶では思い出せません。4と9でいえば、昨日宿泊した旅館タイプのホテル(玄関で靴を脱ぐスタイル)には数百足収納できるシューズロッカーがありました。

ブースそのものに番号飛ばしはないのですが、稼働が高いようで割と埋まっている中、49だけ空いていたのは印象的でしたし、時々出向く自宅近くの銭湯でも4や9のシューズロッカーが空いている傾向は以前から感じていました。

こんな記事を13階のないホテルの15階の客室(ちなみに150“4”号室)で書きつつ(キーボード打ちつつ)、そうか、目の前のルームキーカードに1504号室と記されているが、ここは14階の4号室なのかと再確認、もし9階や4階が無かったとしたら・・・いま本当は何階にいるのかしばらく考えないと出てこないかもしれません。

もし災害に巻き込まれ外から救助なんていう時に、外から見たら14階でもゲスト本人は15階と思い込んでいる齟齬が元でトラブルにならないのか-そんな不吉なことは数字以上に考えたくありませんが。

ホテル評論家

1971年生まれ。一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。ホテル評論の第一人者としてゲスト目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。人気バラエティ番組から報道番組のコメンテーター、新聞、雑誌など利用者目線のわかりやすい解説とメディアからの信頼も厚い。評論対象はラグジュアリー、ビジネス、カプセル、レジャー等の各ホテルから旅館、民泊など宿泊施設全般、多業態に渡る。著書に「ホテルに騙されるな」(光文社新書)「最強のホテル100」(イーストプレス)「辛口評論家 星野リゾートに泊まってみた」(光文社新書)など。

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忌憚なきホテル批評で知られる筆者が、日々のホテル取材で出合ったリアルな現場から発信する辛口コラム。時にとっておきのホテル情報も織り交ぜながらホテルを斬っていく。

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