フランスとドイツなど欧州の消費者物価指数が再加速、日本の消費者物価指数も高水準を維持か
フランス国立統計経済研究所が4日に発表した昨年12月の欧州連合(EU)基準の消費者物価指数速報値は前年同月比4.1%上昇と11月の3.9%上昇から加速した。
エネルギー価格が5.6%上昇、サービス価格が3.1%上昇となった。11月はそれぞれ3.1%、2.8%の上昇となっていた。
原油価格そのものは前年比で大きく変わりは無かったが、電力価格の上昇などが影響した模様。
また、賃金上昇分が価格に大幅に転嫁され始めていることにも注意が必要で、これは日本の消費者物価指数にも同様のことがいえる。
ドイツ連邦統計庁が4日に発表した12月の消費者物価指数速報値はEU基準で前年同月比3.8%上昇と伸び率は11月の2.3%から加速し、11月までの鈍化傾向にブレーキが掛かった。このうちエネルギー価格は12月に4.1%の上昇となった。11月は4.5%の下落となっていた。
2022年12月にはガス代を一時的に免除するなどの政府のエネルギー支援策によってエネルギー価格が低下しており、そのベース効果(前年の特殊な動きが翌年の対前年同月比の数値に影響をあたえる効果)も2023年12月の上昇率を押し上げた。
そして、5日に欧州連合(EU)統計局が発表した12月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年同月比2.9%と前月の2.4%から加速した。インフレ率の加速はドイツなど一部の政府補助金が終了したことなどの技術的要因が影響したことも確かだが、粘着性の高いとされるサービス価格が前月比0.7%、前年同月比4.0%上昇しており、今後も高い水準が維持される可能性がある。
日本の消費者物価指数も同様にサービス価格の上昇により高い水準が維持される可能性がある。また、ここにきて再び円安基調ともなっており、これによる輸入物価への影響も気掛かり。
フーシ派による紅海の商船攻撃事件を契機として、エネルギーと物流でのコストアップが今後、世界的に影響してくる可能性があり、こちらも注意が必要となりそうだ。