日本各都市にプロチーム設立を目論む『3x3.EXE PREMIER』の新シーズンが開幕!
3人制バスケ(以下「3x3」)のプロリーグ『3x3.EXE PREMIER』の2018年シーズンが6月9日に開幕し、日本3都市でラウンド1が実施された。
同リーグは2014年に誕生し、国際バスケットボール連盟(FIBA)承認、日本バスケットボール協会(JBA)公認の日本国内トップリーグ。リーグ誕生当初は7チームでスタートしたが、昨シーズンは18チームまで拡大。さらに今シーズンは36チームに倍増し、6チームごとの6カンファレンス(北日本、関東北、関東南、中部、西日本、九州・沖縄)に分かれ8つのラウンドを戦い、最終的にポイント上位のチームがプレーオフに進出し優勝を争う。試合会場は北は宮城県仙台市から南は鹿児島県鹿児島市まで15都市で全454試合が繰り広げられる予定だ。
同リーグはリーグ内で優勝を争うだけでなく、ラウンド5の勝者(ラウンド5のみ各カンファレンス上位チームによるトーナメント)およびリーグ優勝チームに3x3の世界トップクラブを争う『FIBA 3x3 World Tours Masters』への出場資格が与えられることになっており、世界に直結しているのが大きな魅力の1つになっている。
それだけではない。リーグの存在そのものが手近で、敷居がすごく低いのも忘れてはならない。観戦は無料で、会場に来れば誰でも自由に観戦できる。またリーグ参入も非常に手軽だ。各チームはリーグへの連盟費(初年だけ入会費が必要)を支払えば、選手の報酬、ラウンドごとの賞金、選手の装備(ユニフォーム、シューズ、ソックス、インナー)はすべてリーグから支給される。リーグも「年間500万からのチーム運営」を謳っているほどだ。チームが急速に増えているのもそのためであり、リーグとしても将来的に日本の各都市にチームを拡大していきたい考えを示している。
中部カンファレンスと西日本カンファレンスのラウンド1が実施された神戸ハーバーランドにも多くのファンが集まっていた。同会場はリーグ開催当初から使用してきたが、4年前はチーム関係者が集まる程度で閑散としていたという。しかし今は3x3バスケ観戦を目的にしたファンが会場を埋め尽くす賑わいを見せており、ファンの間でも認知度は確実に上がっているようだ。
今シーズンから新規参入した『GERA OSAKA.EXE』でチーム代表兼選手を務め、Bリーグの大阪エヴェッサに所属する今野翔太選手も3x3バスケに初参加し、その面白さを肌で感じたようだ。
「思っていた以上にBリーグを観に来てくれているお客さんもこの3X3を楽しみに足を運んでくれていて、僕が去年観に行った3X3のイメージとは違っていたので、選手たちも熱が入ったし僕もプレッシャーがありました。でも選手たちのプレーを観ていてオーナーってこういう気持ちで選手たちを見守っているんだと思って、すごく感動をもらえました。これでバスケ界をもっと盛り上げていきたいと思いましたね。
このチームのコンセプトとしてハッスルしてエナジーのある選手を集めてきたつもりなので、それを初日から体現してくれました。今日はもっとたくさんのお客さんの方に観てもらえたら興奮したんじゃないかと…。自分でも興奮しましたからね」
この日はチーム代表に徹した今野選手だったが、チームは初陣ながらカンファレンス準決勝に進出。同じ大阪市を本拠地にし外国人選手も加わる強豪『OSAKA DIME.EXE』と試合終盤まで熾烈なデッドヒートを広げる熱戦を演じ、敗れはしたもののプレミアポイントも獲得し、集まったファンを大いに盛り上げた。今後は「僕のプレーを観たいというファンもいると思うし、代表が選手たちの 足を引っ張らない程度に」と、状況によっては今野選手自らもコートに立つ考えだ。
すでに京都ハンナリーズの岡田優介選手も以前から『TOKYO DIME.EXE』で共同オーナー兼選手として3x3に参戦を続けており、今野選手のようなBリーグ現役選手の更なる参加はより3x3の知名度を上げることになる。今野選手のチームには現在代表合宿に参加している同じくエヴェッサの橋本拓哉選手が合流予定で、今後さらに面白い存在になりそうだ。
すでにご存知の方も多いと思うが、3x3は2020年の東京五輪から正式種目になる。同リーグが日本各地に拡大していくことで、3x3専門の競技人口が、選手の強化にも繋がっていくことになるだろう。
Bリーグと3x3の組み合わせで、日本にも年間を通してバスケを観戦できる環境が整ったのは大きなことだ。バスケ文化を日本に根付かせるという点でも、今後も『3x3.EXE PREMIER』の盛り上がりに注目していきたいところだ。