26日の日銀金融政策決定会合での追加利上げの可能性
日銀の植田和男総裁は19日、米ワシントンで講演し、基調的に物価が上昇し続ければ、金利を引き上げる「可能性が非常に高い」との考えを示した(20日付ロイター)。
ここで注目すべきは「非常に」という部分であろう。「基調的に物価が上昇し続ければ」という前提を置き、さらに「基調的なインフレ率は日銀が目標とする2%を下回っており」としながらも、可能性が高いことを強調した。
基調的なインフレ率とはいったい何を指すのか。日銀の物価目標は消費者物価指数(除く生鮮)であり、すでに2年間もの間、前年比2%を超えているのだが。
それはさておき、これもあって日銀の次のアクションが利上げであろうことが予想される。
国債買い入れの減額にも言及した。時期と規模はまだ決定していないと述べたそうだが、こちらは国債発行額が4月から5千億円程度減額されており、緩和強化にも映りかねない。これがさらなる日米の金融政策の違いを際ただせることはないのか。
「可能性が非常に高い」との表現そのものが、円安を意識しているものであろうことも容易に想像が付く。
そうであれば、国債買い入れの減額についても淡々と行うことを宣言しても良いのでないか。月額6兆円程度の国債買入の数値も早めに外したほうが良いと思う。
今週の金融政策決定会合では次のステップについても議論されることが予想される。総裁会見でも利上げの可能性を意識した発言がされるのではなかろうか。
次回利上げは引き続き7月と予想しているが、26日の可能性も当然、ゼロではない。