子供会やボーイスカウトには小学3年生で18.5%が参加…地域の団体への子供達の参加実情をさぐる
小学生は半数前後が子供会やスポーツ団体に所属
学校内で統括される各種部活動とは別に、ボーイスカウトや草野球チームのような地域で自主的に、あるいは任意の団体などによって運営される、各種子供向けの参加型地域活動は多数存在する。その参加実情を国立青少年教育振興機構が2018年8月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」(※)の報告書の内容から確認する。
次に示すのは直近2016年度における各学年別の「子供会やボーイスカウトなどの青少年の団体」「野球やサッカーのチームやスポーツ少年団」「前述2項目以外の青少年の団体」の所属動向。
子供会やボーイスカウトなどは、小学生では学年別における大きな変化は無く、1割台。一方、スポーツ団体はある程度身体が成長してからの方が所属に積極的になるようで、おおよそ学年が上になるに連れて参加率が増加している。この値が後押しする形となり、一連の団体やチームなどに加入していない人は小学3年生までは半数以上だが、小学4年生以上になると5割を切る形となる。
なおグラフ化は略するが、スポーツ団体では女子より男子の方が加入率は高い。例えば小学3年生では男子は43.2%が該当するが、女子は16.8%でしかない。
これが中学生になると参加率は一気に減る。子供会などは2.2%、スポーツ団体は12.8%。逆に所属していない人は3/4を超える(足して100%にならないのは、グラフには反映しなかったものの「不明」があるため)。さらに高校生となると8割強がどこにも所属していないと答えている。スポーツ団体ですら所属率は4.8%でしかない。これは多分に、同様の行動を学校内の部活動で行うからだと考えられる。また子供会やスポーツ団体側で、中高生の加入をお断りする事例もある。
子供達自身、特に小学生にとっては子供会やスポーツ団体はいわば、中高生では部活動に相当する活動の代替的な存在として見てよいのだろう。
子供の地域活動離れは起きているのか
子供達の地域活動離れが生じているとの話もあるが、詳細な経年変化が取得できる過去8回分に限れば、次のような結果が出ている。
2009年度以降は各団体の所属率が減少し、「所属せず」の値が増えている動きが確認できる。「子供の地域活動離れ」は起きていると解釈してもよいだろう。
一部ではあるがもう少し過去からのデータを抽出できる報告書内の図版からの値によると、所属している・していないの区分に限れば、所属していない人が中期的には増加し、地域活動から距離を置いている状況が確認できる。
過疎化・高齢化・少子化などの影響で地域活動そのものが不活性化し、参加機会そのものが損なわれつつあるのも一因(例えば伝統的なお祭りが若年層の参加不足で開催が難しくなったとの話はよく見聞きする)であるなど、原因は複数の要素によるものと推測されるが、所属率・参加率が減少していることに違いは無かろう。
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※青少年の体験活動等に関する実態調査
直近年度分は2017年2月から3月にかけて各学校(小学校は1年生から6年生まで各100校ずつ、中学校は2年生対象に150校、高等学校は2年生対象に150校)への調査票発送・返信による回収方式で行われたもので、有効回答数は学校数が879校、子供の回収数が18316件、保護者が15769件。
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