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テレビやインターネット、新聞はいつ使われているのか、時間帯別の利用状況

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
夕食後に家族そろってテレビを観る人も多いはず。(写真:アフロ)

テレビやネットの平日利用は朝と夕食、夜のプライベートタイムがピーク

多様な情報を与え、生活を豊かにしてくれる、さまざまなメディア。人々はそのメディアをいつ利用しているのか。総務省が2021年8月に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の公開値を基に、時間帯別の利用状況を確認する。

次に示すのは調査対象母集団全体におけるテレビ(リアルタイム)(テレビ番組の視聴を意味する。パソコンのチューナー利用による視聴やモバイル端末によるワンセグ視聴も含まれる)、テレビ(録画)(録画した番組の再生による視聴)、インターネット(利用端末の種類は問わない)、新聞、ラジオの行為者率推移。この行為者とは、該当時間帯において連続して10分以上使った人のことを意味する。おおよその人が就寝している時間帯は少なく、起きている時間、しかもプライベートな時間は多数の人が利用するため、大きな値が現れる。

↑ 主なメディアの時間帯別行為者率(平日)(2020年)
↑ 主なメディアの時間帯別行為者率(平日)(2020年)

平日のためテレビ(リアルタイム)は早朝と夕食時、そして就寝までのプライベートタイムにおける行為者率が高い。ピークは20時台で4割強。お昼時にやや値が上昇するのは、職場のお昼休み時間に外食先で視聴する場合や、専業主婦、定年退職後の高齢層が食事をしながら視聴する場合があるため。インターネットもテレビとおおよそ同じ動きを示すが、日中は出先、学校や職場でスマートフォンなどを用いてアクセスする事例が多々あることから、テレビと立ち位置が逆転する。

そのインターネット行為者率は就業者による仕事中の利用も反映されるため、日中の値が高い。よく見ると朝に上がった後はそのまま高めの値を維持し、お昼時にピークが生じ、そして昼過ぎに下がった後は夕方以降に漸増している。これは朝の出勤・登校前あるいは中の利用に始まり、就業中、昼休み、帰宅時といった利用スタイルが反映された形となる(要は仕事とプライベートの利用による回答が混じっている)。

新聞やラジオは行為者率そのものが低いため、テレビなどと比べて大きな変化が見られない。ラジオが日中ほぼ一定値を示しているのは「ながら聴取」が多いため。朝がやや高めなのは、朝食時に聴きながら食事を取るスタイルの人が一定数いるからなのだろう。また新聞は届いた朝刊を読む人が多いこともあり、朝の7時台がピークとなっている。夕食時もいくぶん値が上昇するのが興味深い。夕刊を読むケースもあるだろうが、むしろ夕食時に改めて朝刊を読み直していると考えた方が道理は通る。

テレビ(録画)はおおよそ夕食後、就寝時にかけて行為者率が上昇する。夜のプライベートタイムに時間を確保し、録画していた番組を観ているようだ。

休日は余裕があるので

これが休日になると、いくつかの変化が生じるようになる。仕事や学校が無く、自由時間が多く得られるため、各媒体の利用スタイルにも変化が生じる。

↑ 主なメディアの時間帯別行為者率(休日)(2020年)
↑ 主なメディアの時間帯別行為者率(休日)(2020年)

テレビ(リアルタイム)の行為者率で食事時に盛り上がる状況は平日と変わらないが、それ以外の時間帯でもそれなりの高い率でテレビが視聴されている。そして何より朝食時のピークが1時間ほど後にずれており、平日よりも遅く起きて朝食を取るライフスタイルが垣間見られるのは興味深いところ。

テレビ(録画)は平日より高く、日中は5%前後を維持する。平日に撮っておいた番組などをまとめて観ているのだろう。

インターネットは就業・学業で利用を妨げられなくなることから、昼食時の休み時間におけるピークも発生せず、朝食後から夕食後まで行為者率はさほど変わらずに推移している。値は平日より高めだが、夕食後から就寝までの「夜のプライベートタイム」においてピークを迎えることは変わらない。ゲーム、あるいはソーシャルメディアなどでのチャットに勤しんでいるのだろうか。

テレビやインターネットの利用は年齢階層による特性があり、年齢によって利用状況は大きく異なってくる。あくまでも今件は調査対象母集団全体の、つまり世間一般における平均的な動向であることに注意されたい。

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※令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2021年1月12日から1月18日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13~69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。

調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが確認できるが、これについて報告書では「調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」「令和2年度調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、11都府県を対象とした緊急事態宣言下で行われたものであることにも留意が必要」と但し書きを入れている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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