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男女で異なる思い…老夫婦の相手への思いの実情をさぐる(2022年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
仲睦まじいように見える老夫婦だが(写真:アフロ)

老夫婦は配偶者のことをどう思っているのか。その実情をソニー生命保険が2022年9月に発表した「シニアの生活意識調査2022」(※)の調査結果報告書から確認する。

次に示すのは調査対象母集団のうち配偶者がいる人に限定し、老後も配偶者と一緒に暮らしたいと思うかを尋ねた結果。調査対象母集団の年齢を考えるとすでに事実上老後の人もいるだろうが、その場合は今後を意味するのだろう。あるいは今現在暮らしたいと思うか否かで答えているのかもしれない。

↑ 老後も配偶者と一緒に暮らしたいと思うか(2022年)
↑ 老後も配偶者と一緒に暮らしたいと思うか(2022年)

シニアの大部分は老後も今の配偶者と一緒に暮らしたい、これからの生活を楽しみたいと考えているようだ。

ところが男女別に見ると、大きな違いが生じているのが確認できる。男性は一緒に暮らしたいと思う派(青系統色)が9割強で、強い肯定を意味する「非常にそう思う」も6割超え。ところが女性は一緒に暮らしたいと思う派は76.8%と8割にすら届いておらず、「非常にそう思う」も4割に届かない。

回答者が現在配偶者がいる人限定であることを考えると、「女性は男性よりも長生きするので、配偶者に先立たれていては一緒に暮らしたいと思うことすらかなわない」との理由はなさそうだ。となると、女性のシニアは男性よりも、配偶者に対して思い入れが冷ややかなものなのかもしれない。

その仮説を裏付ける形となる結果が出ているのが、次の設問。生まれ変わっても今の相手(配偶者)と結婚したいと思うかとのことだが、男性は7割強が肯定派なのに対し、女性は5割程度にとどまっている。表現の仕方を変えれば、生まれ変わっても今の相手(配偶者)と結婚したいと考えているシニアの女性は半分程度しかいない。

↑ 生まれ変わっても今の相手(配偶者)と結婚したいと思うか(2022年)
↑ 生まれ変わっても今の相手(配偶者)と結婚したいと思うか(2022年)

「非常にそう思う」も男性は33.2%だが女性は18.7%と2割にも届かない。強い否定を意味する「まったくそう思わない」も男性は8.5%と1割にすら達しないのに、女性は22.1%と2割を超えてしまう。

実情としてはケースバイケース、それぞれの夫婦の関係や思惑次第となるのだが、男性にとっては少々寂しい話に違いない。

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※シニアの生活意識調査2022

同調査は2022年8月2~3日にかけてインターネット経由で50~79歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女・年齢階層(50代と60代・70代の2区分)で均等割り当て。調査協力会社はネットエイジア。

調査結果からは回答者全員がスマートフォンを利用していることが確認でき、多分にスマートフォン利用者を調査対象母集団としていることがうかがえる。そのため、社会全体の実情とはいわゆるデジタルデバイドによる差が生じていることに加え、実際の人口構成比とは異なることに注意が必要。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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