女性に人気の軽自動車、所有率も増加中
女性に好かれる軽自動車
軽自動車はその軽快さ、初期投資及び運用コストの低さから、特に手身近な移動手段を求める人に好まれている。社団法人全国軽自動車協会連合会の発表によれば、2013年3月末時点で軽自動車の保有台数は2800万台を超え、100世帯あたりの保有台数は51.8台にまで上昇している。
軽自動車はその性能、利用スタイルから、男性よりも女性に好まれる傾向がある。次に示すのはソニー損害保険が2013年11月に発表した、カーライフの実態に関する調査結果(調査対象母集団は自家用車を所有し常用する人)を基にしたものだが、それによると自動車を利用している人のうち全体では4割近く、女性では10-20代に限れば2/3が普通自動車などでは無く軽自動車を主に使っていると回答している。
男性よりも女性の方が軽自動車率が高いのは、女性はパート先や買い物、子供の送り迎えなど比較的近場への運転が多くなるため。つまり利用スタイルに従い、軽自動車を選択していることになる。
世代別では概して若年層ほど軽自動車率が高い。これはコストの問題。自家用車は必要だが財力に乏しい若年層には、普通自動車よりも軽自動車の方が適している。女性の中堅層でややイレギュラーな動きを示しているのが、これは軽自動車では無くコンパクトカーを選択しているからに他ならない(元データを確認すると、40代女性のコンパクトカー利用率は22.4%で、各世代中最大を示している)。
軽自動車の利用率は漸次増加中
軽自動車の利用率について、今件調査の経年データをまとめたのが次のグラフ。最初の全国軽自動車協会連合会のデータにもある通り、日本全体における軽自動車の保有台数が増加しているので、当然今データでも軽自動車の利用性向は上昇を示している。
女性の40代でのイレギュラーが単年のものでは無く、継続したものであることが確認できる。そして年々軽自動車率が減っているが、これは上記の説明の通り、コンパクトカーへのシフトによるもの。就労する女性が増え、かつ子供が成長過程にあることから、軽自動車では用が足りないという判断によるものだと考えられる。
また男性の50代は横ばいな一方、女性はこの1、2年の間、大きな上昇傾向を示している。利用する頻度が増え、コスト意識が高まった結果だろうか。元資料でも「自動車メーカー各社が燃費の向上や走行性能の向上、室内空間の広さなどをアピールポイントとした軽自動車を発売しており、これら特性を有する軽自動車が若者や女性に受け入れられている結果かもしれない」との説明がある。この軽自動車の特性が、若年層だけでなくシニア層にも受け入れられているのだろう。
今後は電気自動車の普及も進んでいく。電気自動車は使用燃料部分はともかく、その他の仕様・用途の点で、軽自動車と共通する部分が多く、相性が良い。軽自動車区分のが選ばれることで、ますます軽自動車の普及に加速をつけることだろう。
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