【次にホテルに泊まるなら】ラウンジで愉しむ非日常のひと時を大切に
ホテルのラウンジで過ごすのが好きです。近ごろのホテルや旅館は、ステキなラウンジをもうけることが多くなりました。
パソコンを開いたり、コーヒーを飲みながら読書をしたり、時にはぼーっと景色を眺めたり。ホテルのラウンジで、ちょっとした非日常を体験。いいものですよ。
今回はプライベートで訪れたことがあるホテルや旅館を含めて紹介します。
≪ラウンジですごす豊かな時間≫
以前旅先で泊まった宮島シーサイドホテルのロビーでは、欧米人の夫婦が外のハンモックチェアに座って海を眺めていて、なんだかいい雰囲気。
仕事や旅行でホテルに滞在していて感じるのは、訪日外国人はホテルの過ごし方が上手なことです。
アジア系の人たちはロビーやラウンジでキレイなものを見つけると、自撮りをしたり、友人や家族同士で写真を撮り合ってとても楽しそう。欧米系の人たちは、のんびりすごしたり、おしゃべりしたり、バーで飲んでいる姿もよく見かけるので、ホテルの滞在を愉しんでいるようです。
次にホテルに泊まるなら、日常では味わえないホテルラウンジでのひと時を、少し楽しんでみませんか。
近ごろはビジネスホテルやシティホテルでも、雰囲気のいいラウンジを備えるところがあります。
上野駅のすぐ横にあるホテルリソル上野にも、小さなラウンジがありました。上野には国立西洋美術館や上野の森美術館、東京藝術大学などがあることから、上野の街を描いたアート作品をラウンジに飾ります。
小ぎれいなカフェのような雰囲気で、コンパクトな居心地のいい場所でした。
≪ラウンジで選びたいホテル≫
ラウンジを愉しむためのホテル。そんなふうに思えるのが雨庵(うあん)です。
玄関を入ると正面がレセプションで、右側(写真奥)は椅子やテーブルを配したロビー、左手(写真手前)には小上がりが設けられ、テーブルの広い堀り座卓を置いたラウンジになっています。
金沢の文化に触れられるのもコンセプト。加賀棒茶や地元のちょっとしたお菓子が用意され、ゲストは自由にいただけます。ラウンジの棚には石川県の工芸品が飾られ、金沢の文化やアートについての書籍も並びます。
金沢をちょっと知っておきたい。そんな人におすすのラウンジです。
元禄年間に創業した300年続く老舗旅館。昭和2年に落成した現在の建物は国の登録有形文化財に指定されています。古くから文人・歌人が通った温泉地で、志賀直哉の『城崎にて』は、三木屋の滞在中の出来事を書いたことで知られます。そんな三木屋のモダンなラウンジも見事です。
ロビーの一画には、城崎にまつわる小説などをそろえたライブラリーがあって、コーヒーなど無料のソフトドリンクを用意。
二脚並んだロッキングチェアからは200坪の日本庭園が眺められ、志賀直哉が『暗夜行路』でこの庭の様子を書いています。風景に誘われるようなラウンジです。
≪ラウンジで過ごす非日常の時間≫
まさに非日常空間。そんなホテルがあるのは、JR京都駅から10分ほど。
広く、天井が低く、それでいて照明が落とされたロビーには、スポットライトに照らされた石が置かれ、禅寺の枯山水を思わせます。
ロビーの一画にはライブラリーがあって、京都の伝統や文化に触れる書籍をそろえます。
ミステリアスでシュールともいえる空間は “ホテルらしくない” 雰囲気です。だからこそ印象的で、普段は体験できない非日常のひと時をすごせました。
ラウンジに限らず、廊下や階段の踊り場などにちょっとしたくつろぎのスペースを設ける施設も。
若狭湾に面した海辺の小さな宿ですが、階段の踊り場にピクチャーウインドウを設けます。二人掛けのベンチが置かれ、目の前には絵画のような日本海が広がり、まさに非日常の時間。
立地を活かしたここだけの景色を楽しめるのも、その宿ならではの楽しみ方です。
ステキなラウンジでコーヒータイム。そんな非日常のひと時を、ホテルで過ごしてみてください。