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約7割の保護者が子供のインターネットやSNSの利用に不安を感じている

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
深夜までSNSに夢中の子供。保護者が不安を感じないはずもなく(写真:アフロ)

自分が子供の頃には存在しなかった道具やサービスを自分の子供が使いこなし夢中になるのを見て、不安を覚える保護者は少なくない。実際にはどれほどの保護者が不安を覚えているのだろうか。ソニー生命保険が2022年3月に発表した調査結果「子供の教育資金に関する調査2022」(※)から、その実情を確認する。

次に示すのは調査対象母集団に対し、子供の将来に関する項目を提示して、どの程度不安を感じるかを尋ねた結果。具体的には「インターネットやSNSの利用」を訪ねている。つまり子供が実際にインターネットやSNSを利用しているのを見て、将来何か悪影響をおよぼさないか、あるいはすでに何らかの影響が生じており、それがさらに悪化しないか、その不安。まだ自分の子供には手を触れさせていなくても、じきに利用することになるだろうし、そうなれば「何か悪い影響が生じるのでは」との不安を覚える場合もあるに違いない。

↑ 子供の将来についてどの程度不安を感じるか(インターネットやSNSの利用、子供の就学段階別)(2022年)
↑ 子供の将来についてどの程度不安を感じるか(インターネットやSNSの利用、子供の就学段階別)(2022年)

調査対象母集団全体では24.0%が非常に不安を感じ、46.3%がやや不安を感じている。併せて70.3%の保護者が、子供がインターネットやSNSを利用することで、何か悪影響が生じるのではないかとの不安を感じている。具体的な不安内容までは問われていないが、利用のしすぎによる学習忌避、睡眠不足などによる健康状態の悪化、悪い情報の習得、さらに犯罪に巻き込まれる可能性も否定できない。

子供の就学段階別に回答状況を見ると、中高生までは高学年になるに連れて不安度合いが大きくなる傾向がある。中高生の保護者は実に76.5%が、インターネットやSNSの利用について子供に不安を感じていることになる。利用端末の高度化やフィルターの除外化(高学年ほど安全策として保護者が設定するフィルターを解除してもらっている場合が多い)、子供自身の利用技術の向上などが、保護者の不安を高める要因だろう。

しかし子供が大学生になると、不安度合いは小さくなり、インターネットやSNSの利用について子供に不安を感じている保護者は60.3%にとどまってしまう。子供自身の判断力が相応についているため、保護者が不安を感じるようなことは起こさないだろうという考えがあるのかもしれない。

インターネットやSNSの利用に関する子供への不安度合いを経年推移で確認したのが次のグラフ。「非常に不安を感じる」「やや不安を感じる」の回答値を足した値の動向となっている。

↑ 子供の将来についてどの程度不安を感じるか(インターネットやSNSの利用、非常に不安を感じる+やや不安を感じる)
↑ 子供の将来についてどの程度不安を感じるか(インターネットやSNSの利用、非常に不安を感じる+やや不安を感じる)

2018年以降2020年までは漸減する傾向があったものの、2021年からはやや値を上乗せし、その状態が継続している。直近年では70.3%と、初めて7割台に届いてしまった。誤差の範囲とも解釈できるが、2021年以降の値の増加については、新型コロナウイルスの流行で子供の在宅時間が増え、それに伴い(保護者が目につく範囲での)インターネットやSNSの利用も増え、必要以上と思われる長時間の利用や熱中のあまりに睡眠不足に陥るといった、保護者の不安が高まるような事態がこれまで以上に生じているのかもしれない。

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※子供の教育資金に関する調査2022

2022年1月28日から31日にかけて、大学生以下の子供がいる20歳以上の男女を対象に、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。保護者の男女別、子供の男女別、子供の通う学校(未就学、小学校、中学校・高校、大学・短期大学・専門学校・予備校)別でそれぞれほぼ均等割り付け。調査協力会社はネットエイジア。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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