ねっとり濃厚なキャラメルとほうじ茶のハーモニー「中秋月餅」で味わう銀座に志かわさんのリッチな秋限定品
近年、洋菓子の世界でも日本の旬や歳時記を意識した商品が登場しはじめました。例えばパフェやケーキ。以前よりうさぎを模ったお菓子は勿論、十五夜をモチーフにしたスイーツをSNSでも見かけるようになりました。
パンの世界も同様に、卵黄や半割りのアプリコットを乗せた月見系の商品が店頭に並ぶようになりましたが、ちょっと視点を変えた十五夜に相応しいパンを販売なさっているお店があるのです。
銀座に本店を構え、ここ最近はより一層日本人の食文化や四季の移ろいへと意識を向けた「歳時記シリーズ」を販売なさっている「銀座に志かわ」さんでは、日本の十五夜と中国の中秋節が重なることから二つの文化を取り入れたお菓子のようなパンが期間限定で登場しています。
今回は銀座に志かわさんの歳時記シリーズより「中秋月餅」をご紹介。
なるほど、確かに月餅も小麦粉生地でナッツやあんこを包んだお菓子。材料の構成的には(薄力粉と強力粉の違いはあれど)小麦粉にナッツ、お砂糖、油脂、近いものがありますね。
しかし、ここは流石銀座に志かわさん。クリームやバターの芳醇なまろやかさを損なわせることなく和の素材や木の実などを巧みに配合なさっています。
銀座に志かわさんのパンがどことなく和風テイストのように感じられるのは、耳の部分の色味もライトでしっとりとしており、スンと鼻を刺激するような香ばしさは他の食パンに比べて若干控え目。しかし、今回はほうじ茶を合わせたパン生地や、求肥粉などを用いたねっとりとしたキャラメル、胡桃にカシューナッツ、アーモンドといった大地の力強さと上品さを同時に発揮するナッツ類とあわせたことで、食感も風味もそれぞれタイプの異なる薫香が厚みのあるハーモニーを奏でているよう。
特に白い方の生地は穏やかな甘味を織り成し、ほうじ茶生地は甘味の前にキュッと鼻腔を軽やかにつつくような刺激を楽しむことができるので、上下ひっくり返しながらどちらからいただこうか迷ってしまうのもまた幸せな瞬間。
個人的には焼き目をつけず、余熱しておいたオーブントースターで温めて、ホットミルクと一緒に召し上がるのもおすすめしたいところ。中のキャラメルがより柔らかくなり、ナッツ類との歯応えの差もより明確に。
数量限定ではありますが、9月30日まで販売予定とのこと。今年はオリエンタルな中秋の名月に思いを馳せるのもまた一興ではないでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<銀座に志かわ・本店>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区銀座1-27-12 キャビネットビル 1F
03-6263-2400
10時~18時
不定休