新型コロナ いつまで自宅療養すれば良い?オミクロン株では自宅療養が終わった後も人にうつることがある
2022年9月から、入院している方を除いて新型コロナ患者の療養期間が短縮されました。
自宅療養が終わっても人に感染させてしまうことがあるため、自宅療養終了後数日間は注意が必要です。
自宅療養期間は7日間
日本ではこれまでに2900万人の人が新型コロナに感染しており、このうち2022年以降にオミクロン株に感染した人が2700万人を占めています。
これだけたくさんの感染者が長期間自宅療養をすることによる社会機能の低下が懸念されたことから、政府は2022年に入り、濃厚接触者の待機期間、感染者の療養期間を短縮しました。
現在の新型コロナ感染者の療養期間は以下の通りです。
有症状者:発症日を「0日」として、7日間経過し、かつ、症状軽快後 24 時間経過した場合には8日目から療養解除
無症状者:検体採取日を「0日」として、7日間を経過した場合に8日目に療養解除(これまでと変わらず)。ただし、5日目の検査キットによる検査で陰性だった場合は、5日間経過後(6日目)に療養解除
つまり、入院患者を除いて、症状のある方は最短で8日目、無症状者は最短で6日目に療養解除となります。
例えば、12月29日に発熱が出て、12月30日に抗原キットで新型コロナと診断された人がいたとすると、発症日の12月29日が0日目となりますので、1月5日が7日目であり、症状軽快後24時間経過していれば1月6日から職場復帰可能ということになります。
無症状の人が12月30日に新型コロナと診断された人がいたとすると、診断日の12月30日が0日目となりますので、5日目となる1月4日に検査をして陰性であれば1月5日から職場復帰可能ということになります。
2022年9月までは最短で11日目だった療養期間が3日短くなったことになりますが、これは新型コロナウイルス感染症という疾患の感染性のある期間が短くなったから、というわけではありません。
この点については、学校や職場に復帰した後に少し注意が必要です。
オミクロン株になって感染性のある期間が短くなったわけではない
新型コロナの感染者は発症3日前から発症10日目くらいまで感染性がある(周りの人に感染させうる)と考えられてきました。
人工呼吸器を使用するなど重症であった人は、ウイルス排出期間が長くなることがあるため「発症日から15日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過するまで(発症日から 20 日間経過までは退院後も適切な感染予防策を講じること)」となっています。
中等度・重度の免疫不全のある方では、さらに長期間のウイルス排出が続くことがあります。
オミクロン株は感染してから発症するまでの期間(潜伏期)が約3日に短くなっています。
また、ウイルスの排出量が最も多くなる時期は発症後3〜6日と報告されており、これまでの新型コロナウイルスとは異なる特徴があります。
しかし、感染性のある期間については、オミクロン株になってから短くなっているという報告はなく、デルタ株と比べても変わらないという報告があります。
つまり、オミクロン株の感染者でも発症から10日目くらいまでは人にうつしてしまうことがあります。
国立感染症研究所の解析では、オミクロン株の感染者のうち16%は発症から8日目の時点でもまだ感染性があると推計されており、療養解除された方の中にも一定の割合でまだ感染性のある人がいることになります。
このため、療養から復帰してから3日ほどは周りに感染を広げないように十分な注意が必要です。
具体的には、屋内ではマスクを着用すること、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方と会うのは避ける、会食は延期すること、などが挙げられます。
また、感染性のあると考えられる期間を過ぎたあとも、時間経過とともに再感染のリスクが高くなってきます。
一度感染した方も、三密を避ける、屋内でのマスク着用、こまめな手洗い、といった基本的な感染対策は引き続き心がけるようにしましょう。
また感染したことがある方も、感染から3ヶ月を目処にぜひワクチン接種をご検討ください。