スイス中銀はマイナス金利も視野に
スイス国立銀行(中央銀行)のマーティン副総裁は10日、国内経済の緩やかな成長と低水準のインフレを理由に年内に追加利下げを実施する可能性を示唆した(11日付けロイター)。
スイス国立銀行の政策金利は2022年6月までマイナス0.25%とマイナスとなっていたが、9月に0.5%となり、マイナス金利政策は解除された。それから2023年6月にかけて1.75%まで引き上げられた。
2024年に入り、3月と6月と9月の会合でそれぞれ0.25%ずつ引き下げられて、現在は1.00%となっている。
10月1日に総裁に就任したシュレーゲル氏は、物価下振れリスクが高まる状況で、マイナス金利を復活させる可能性があるとの見方を示した。
マーティン副総裁は、さらに中銀が最終的に金利をマイナス領域に引き下げることを検討する可能性があるとシュレーゲル総裁の発言を繰り返した(11日付けロイター)。
スイスの消費者物価指数は2023年には前年比3%台を付ける場面もあったが、その後徐々に上昇幅が縮小し、2024年9月は前年比0.8%と1%を割り込んでいた。
12月に0.25%の利下げとなれば、政策金利は0.75%となる。来年も4回程度の利下げとなれば、マイナス金利となる可能性はある。
スイスと日本の金融政策は似た面もある。日銀のマイナス金利導入以前にスイス国立銀行はマイナス金利を導入していた。日本もいずれスイスの動きをなぞるかどうかは不明ながら、スイスの動きにも念の為、注意しておきたい。