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斎藤氏の再選とソーシャルメディアの力 新聞やテレビからの「情報の権威」の交代 #専門家のまとめ

古田大輔ジャーナリスト/ メディアコラボ代表
(写真:アフロ)

パワハラ問題などで失職した斎藤元彦氏が再選した兵庫県知事選で注目されたSNSや動画の影響力。アメリカ大統領選ではポッドキャストや報道経験のないニュース系インフルエンサーが若者たちの情報源となっていました。背景にあるのは「情報の権威」の交代という大きな流れです。

ココがポイント

投票する際に何を最も参考にしたか(中略)「SNSや動画」が30%とテレビや新聞より多く、うち70%以上が斎藤氏に投票。
出典:NHK 2024/11/18

米国で多くの若年層が頼りにする情報源は、大抵が報道の訓練や経験のないソーシャルメディアの「ニュース系インフルエンサー」。
出典:Bloomberg 2024/11/19

わずか1分ほどの短尺動画では、選挙の構図や政策を単純化した印象的なフレーズが繰り返されます。
出典:日本ファクトチェックセンター 2024/11/18

ジャービス氏は「『(誰かが)こう言った』から正しい情報とされた時代に似てきた」(中略)「情報の権威」の交代です
出典:日本ファクトチェックセンター 2024/11/19

エキスパートの補足・見解

SNSやYouTube動画などのソーシャルメディアの影響力が増し、新聞やテレビなどの伝統メディアの信頼性や存在感が低下するというのは、10年以上前から続く不可逆な流れです。その中で人々が頼りにする「情報の権威」の交代が起きています。誰でも発信・拡散ができるソーシャルメディアは必然的に偽・誤情報が拡散しやすい状況を作るし、それを利用しようとする「故意犯」が出てきます。情報の権威の交代は歴史の必然ですが、それが健全な情報環境を壊さないようにする対策が必要であり、ファクトチェックだけでなく、メディア情報リテラシーの普及やルールの制定など社会全体で取り組む必要があります。

ジャーナリスト/ メディアコラボ代表

早稲田大政経学部卒。朝日新聞社会部、アジア総局、シンガポール支局長などを経て、デジタル版担当。2015年に退社し、BuzzFeed Japan創刊編集長に就任。2019年に独立し、株式会社メディアコラボを設立。2020年-2022年にGoogle News Labティーチングフェロー。同年9月に日本ファクトチェックセンター(JFC)発足とともに編集長に。その他、デジタル・ジャーナリスト育成機構理事、早稲田大、慶応大、近畿大非常勤講師など。US Japan Leadership Program2021-2022、NY市立大院News Innovation and Leadership2021修了

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