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【東大阪市】「河内国」水と共存の軌跡。

岡田智則webライター(東大阪市)

東大阪市の歴史や人々の生活の歩みを発信している「東大阪市郷土博物館」。6月7日から夏季企画展示「雨の日の道具」が開催されたということで、その展示会を見にいってきました。今回は、その様子をお届けします。

東大阪市郷土博物館
東大阪市郷土博物館

「東大阪市郷土博物館」は、近鉄奈良線「瓢箪山駅」から生駒山の「客坊谷ハイキングコース」に向かう途中にあります。「河内国」に関する歴史を体験でき、「山畑古墳群」の見学もすることができます。

夏季企画展示「雨の日の道具」ポスター
夏季企画展示「雨の日の道具」ポスター

7月に入り、この時期の特別展が開催されているのではないかと思い、様子を見にってみました。すると、やはり新しい「企画展示」が開催されています。今回は、「雨の日の道具」です。春の企画展示である「井戸 溝 池」と一緒に見学できます。

夏季企画展示「雨の日の道具」
夏季企画展示「雨の日の道具」

館内展示の写真撮影は基本的に禁止ではありますが、勉強目的のためなら撮影可とのことです。東大阪市における人々の歩みを発信されているので、ぜひ一度足を運んでいただき、「河内国」の生い立ちを知っていただきたいです。
特別展では、「摂津名所図会」や「河内名所図会」をもとに再現された昔の雨具の展示や、「水走遺跡」や「西の辻遺跡」をはじめとする史跡から出土された、雨による災害防止に使われたものが展示していました。
東大阪市は、水との関わりが深く、幾度となく水害を乗り越えてきた土地です。昔の人は、雨の日にどのように畑仕事をやっていたのか、雨による水害を防ぐため工夫や祭祀について知ることができます。

西の辻遺跡跡
西の辻遺跡跡

博物館の方にお話を伺ったところ、都市開発によりほとんどの史跡は残っていませんが、「西の辻遺跡」は残っているとのことで、帰りに見に行ってきました。近鉄「新石切駅」から南に進んだところにあります。
現在は、石碑が建っているだけではありますが、この場所から雨による災害を防止するための祭祀に使われた「土馬」や「木馬」が出土したそうです。その他にも、弥生時代の「方形周溝墓」や古墳時代の「石組水利遺構」などが見つかったとのことで、東大阪市の長い長い歴史を実感することができます。

山畑22号墳
山畑22号墳

この夏季企画展では、毎週土曜日と日曜日の午前11時~11時30分と午後1時30分~2時に館内の展示解説および古墳の案内を実施されているとのことです。学芸員さんは本当に詳しく教えてくださり、質問にも丁寧に対応してくださるので、ぜひお話を伺ってみて欲しいです。
ちなみに、現在の「山畑古墳」はこんな感じです。緑が生い茂ってすごく綺麗です。生駒山の麓にあるので、涼しく快適に見学することができます。中に入ることも可能なので、ぜひ古墳にも足を運んでみてください。

東大阪市郷土博物館

【住所】大阪府東大阪市上四条町18−12
【アクセス】近鉄奈良線「瓢箪山駅」下車、東南へ徒歩約20分
【開館時間】9:30〜17:00
【休館日】月曜日
【観覧料】無料
【お問合せ】072-984-6341

webライター(東大阪市)

大学院修了後、音楽を用いた地域活性化事業に取り組む。ブログ運営を通して、主に関西地域の魅力を発信している。

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