【港区】手ぬぐい専門店「麻布十番 麻の葉」の粋でモダンな日本文化は海外の方々にも大人気!
こんにちは。himawariです。
今回は、日本の伝統と江戸の粋を感じる老舗手ぬぐい専門店「麻布十番 麻の葉」をご紹介します。以前からお気に入りのお店です。
看板にある「絵てぬぐい」の呼称は、今でこそよく聞きますが、30年ほど前に初めて使ったのは「麻の葉」オリジナル手ぬぐいを製造販売する株式会社アート蒼です。
店内の様子
店内には、目移りするほど手ぬぐいがたくさんあります。素材はどれも日本産高級さらし木綿。色とりどりで鮮やかな色彩の手ぬぐいが日本の四季や暮らしを象徴しています。額に入れて展示すると、まるで絵画のようです。
この掛け軸は、麻の葉オリジナル手ぬぐい「おひなさま」を本紙に、最高級裂地を使用した洛彩緞子で表装された伝統工芸品。軸先には紫檀がほどこされています。美しいだけでなく、日本の歴史と伝統、格式の高さが感じられます。桃の花には厄除け・魔除け・長寿・生命力を象徴とした縁起の良い意味が込められているので贈り物にも最適です。
上部に飾られた手ぬぐい、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」と、赤富士こと「凱風快晴」の迫力には圧倒され、美術館にいるような感覚に。細部まで鮮やかで美しく、きめ細やかな発色には驚きです。扇子の日本的な風景とユニークで個性的な猫柄もすてき。
小物類も充実しています。上段は手ぬぐいハンカチ。気分に合わせて持てるように何枚も欲しくなります。下段はまさに粋でモダンといった雰囲気のポーチやテッシュケースなど。着物や印半纏などに使われた昭和初期の「古布」を再利用しているそう。どれも一点ものです。
赤ちゃんに優しい商品も!
麻の葉オリジナル手ぬぐいで作られた「赤ちゃん甚平」です。もちろん素材は日本産高級さらし木綿。汗をかきやすい赤ちゃんにとって、吸水性と速乾性が抜群なのはありがたいことですね。肌触りがソフトで着心地も最高です。お出かけの際に着崩れしにくいのは赤ちゃんだけでなくご家族にも優しいですね。
秋におすすめの手ぬぐいをピックアップ
グラデーションの絶妙なタッチで月に立体感を与えています。秋の七草であるススキ、桔梗、藤袴(フジバカマ)で秋の訪れを感じます。静寂を醸し出す雰囲気がとても心地よいです。
ススキとお団子が供えられていて、おうちの中でいつでもお月見ができますね。収穫に感謝し、幸福を願いましょう。月のうさぎが今にも動き出しそうで、いつまでも眺めていたくなります。
ネコが紅葉狩りをしている後ろ姿がほっこりとして癒されます。よく見ると、一匹だけこちらを向いているお茶目なネコが!それと、実はネコ以外の動物が紛れ込んでいるという遊び心に心をつかまれました。
この手ぬぐいは「春」「夏」「秋」「冬」と、全シーズンで展開してるのでネコ好きの方は集めたくなりますね!
歌舞伎の演目をモチーフとした「源氏物語」の光源氏と葵の上。扇の中の2人の姿は舞台のようでもあり、絵巻物のようでもあります。ひらひらと舞う紅葉と桜が平安時代の雅やかな世界を感じさせます。
今年は「源氏物語」の原作者である紫式部の生涯を描いたテレビドラマが放送されています。改めて1,000年の時を超えた世界観に注目してみましょう。
社長の須崎和子さんにお話を伺いました
――「麻布十番 麻の葉」オープン以前は?
以前は歌舞伎座内で商品を販売していました。
――歌舞伎とご縁が深かったのですね。
歌舞伎の演目・衣装・文様をモチーフとした手ぬぐいはたくさんありますが、歌舞伎に造詣が深い作家による原画です。銀座のデパートやイベント等に出品していたところ、歌舞伎座からお声がけいただき、歌舞伎座内で販売することになりました。
――「麻布十番 麻の葉」オープンのきっかけは?
2010年に歌舞伎座が改築工事のため、約3年間休館することになったのがきっかけです。
「歌舞伎座が休館になったらどこに買いに行けばいいの?」という、お客様からのお声をたくさんいただいたこともあり、地元で慣れ親しんだ土地である麻布十番に直営店「麻布十番 麻の葉」をオープンしました。
――「麻布十番 麻の葉」には海外の方々も多く来店されているとか?
はい。麻布十番という土地柄で、海外の方々にも多く来店していただいています。日本文化を感じられるものとして、手ぬぐいをギフトやおみやげに買われる方もいらしゃいます。手ぬぐいに名前やロゴマークを入れるサービス「名入れ」も人気です。
――「名入れ」は何枚単位でオーダーできるのでしょうか?
1枚から承ります。
――1枚からオーダーできるのは嬉しいです。海外の方の名前をカタカナで表記するとかわいいですね!
ありがとうございます。「名入れ」した手ぬぐいをギフトやおみやげにされる方も多いです。
――ところで、手ぬぐいの表と裏の染まり具合が同じことに驚きました。
それは、日本独自の伝統的な染色技法である「注染(ちゅうせん)」染めをしているからです。
「注染(ちゅうせん)」は世界で唯一の染色方法です。特殊な糊である防染糊で土手と呼ばれる囲いを作ります。その囲いの中に上から染料を注ぎ、下からポンプで吸い取ることで生地が染まります。特徴は表と裏が同じ色、同じ濃淡で仕上がること。のれんのように両側から見られるものを注染染めの手ぬぐいで作るのもいいですね。熟練の職人による「ぼかし」などの魅力的な技法もあります。
――世界で唯一の染色方法とは、すごい技術ですね。型紙も特別なものだとか。
「伊勢型紙」を使用しています。手ぬぐいや着物などに絵柄を染めるためのものです。江戸時代に発達し、重要無形文化財に指定されている伝統工芸品ですが、現在は「伊勢型紙」の職人が減少しています。
手ぬぐいを通じて、伝統的な「注染(ちゅうせん)」や「伊勢型紙」の技術について皆さまに知っていただけたら幸いです。このような技術で職人により1枚1枚手染めされる手ぬぐいは、同じものがふたつとないのです。
――詳しく教えていただきありがとうございました。伝統的な技術が末永く継承されていくことを願います。来年の2025年は、設立40周年、直営店「麻布十番 麻の葉」オープン15周年の記念すべき年ですね。
はい。きっと良い年になるかと。日本の伝統的な暮らしや江戸の粋をこれからも伝えていきたいです。
「絵てぬぐいの職人技」をご覧ください!
伊勢型紙の型紙地は和紙を柿渋で貼り合わせて丈夫にして作られたもの。原画をもとに小刀でパーツを彫っていきます。これは卓越した彫刻技術で、とても細かい作業です。道具も職人による手作りです。
蛇腹状に折ったさらし木綿の上に伊勢型紙を置いて木べらで1枚1枚糊付けをします。型紙地には糊がつかず、彫ってある部分に糊が付きます。
糊がついたさらし木綿を重ね、染料をジョウロのような道具で注ぎ、染めていきます。その後、裏返して同じ作業をします。ぼかしや多色など、高度な技術を必要とします。
糊と染料がついた生地を水洗いし、天日干しをします。生地は反物なのでかなり長いため高所から干します。職人の思いが乗った、威風堂々たる雰囲気。その後、検反、ローラーによるシワ伸ばし、裁断をして、やっと絵てぬぐいが完成します!
絵てぬぐいは伝統的な技術と職人技、様々な工程を経て作られることを知り、感慨深いです。
お気に入りの絵てぬぐい
鮮やかな青がとても好きな色味です。赤と白のコントラストも気に入っています。「金魚」は夏の季語ですが、この絵てぬぐいが好きすぎて季節を問わず飾っています。
まとめ 再認識した「麻布十番 麻の葉」と手ぬぐいの魅力
「麻布十番 麻の葉」の手ぬぐいは素材が日本産高級さらし木綿なので、肌触りがソフト。吸水性が高いためタオルの代わりにもなります。洗濯後、乾きが早いのも利点です。畳むとコンパクトになるので持ち歩きにも便利。スカーフやラッピングとしてなど、その他の使い方もまだまだあるようです。
更にすばらしいのは美しいこと!想像以上に手間のかかる工程と伝統的な技術によって生まれる風合いと鮮やかな発色、江戸の粋とモダンな雰囲気はもはやアートです。歌舞伎・季節・名画などをテーマにした柄が、日本の文化と伝統を感じさせることから海外の方々に人気があるのも納得です。お気に入りの手ぬぐいはぜひとも額やアートフレーム(タペストリー棒)で飾って愛でましょう。
希少なヴィンテージ生地の「古布」を再利用して小物類を作るという、地球環境に優しい取り組みにも注目です。
今回は社長の須崎和子さんにお話を伺えたことで、丁寧なものづくりへの理解が深まり、これまで以上に手ぬぐいへの愛着が沸きました。そして「麻布十番 麻の葉」と手ぬぐいの魅力を再認識できたことが大きな収穫です。
*価格等詳細については公式サイトをご覧ください。
*須崎和子様の「崎」の文字は本来は「たつさき」です。
《店舗情報》
手ぬぐい専門店 麻布十番 麻の葉
〒106-0045 東京都港区麻布十番1丁目5番24号 桜井ビル1階
Tel : 03-3405-0161 Fax : 03-3405-7512
Email : info@asanoha.shop
営業時間:11:00~19:00 年中無休
支払い方法:現金・クレジットカード・PayPay・港区スマイル商品券
都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩5分
東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口より徒歩7分
公式サイト:麻布十番 麻の葉
Instagram:手ぬぐい専門店 麻布十番 麻の葉 asanoha
X:手ぬぐい専門店 麻布十番麻の葉
Facebook:手ぬぐい 麻布十番 麻の葉(アート蒼)/Asanoha