Appleの売上のうち72%がiPhone、伸びるアジア太平洋での販売
Appleは2016年1月26日に2016年Q1(2015年10~12月期)の業績発表を行った。
売上高は前年同期比2%増の758億7,200万ドル(約10.6兆円)、純利益は2%増の183億6,100万ドル(約2.2兆円)だった。
売上の72%がiPhone
Appleの売上高758億7,200万ドルのうち、516億3,500万ドルがiPhoneで、Appleの売上高全体の72%を占めた。
ここ最近はずっとiPhoneが占める割合は60%台だった。今期は世界中でクリスマスシーズンだったことから、iPhoneが占める割合が増加した。Appleの売上がiPhoneに大きく依拠している構造に変わりはない。そしてこの傾向はこれからも続いていくだろう。
▼製品別での出荷台数、売上高および売上高に占めるシェア
またAppleは決算発表時に過去90日間にアクティブなAppleの製品(iPhone、iPad、Mac、iPod touch、AppleTV、Apple Watch)が10億台を突破したことを発表した。
売上の60%以上がアメリカ以外
Appleでの売上高758億7,200万ドルのうち南北アメリカが38.7%、中華圏が24.2%、欧州23.6%、日本6.3%といつもとそれほど大きな違いはない。今期は日本での売上は減少したが、日本ではクリスマスシーズンよりも3月~4月の卒業入学シーズンの方が端末が売れるので、あまり気にすることではないだろう。
▼地域別での売上高とシェアの推移
伸びるアジア太平洋地域での売上
「その他のアジア太平洋地域」での売上が全体のAppleの売上のうち7.2%を占めた。「その他のアジア太平洋地域」はクリスマスシーズンには非常によく端末が売れる。これはAppleだけでなく他のメーカーでも同じ傾向が見られる。値下げ競争で薄利多売を追求しないAppleは欧米でも中国でも日本でもほぼ同じ値段で端末を販売している。そうするとアジアや新興国諸国では「端末の値段が高いからiPhoneは買えない」という人も多い。また「スマートフォンでやることはiPhoneであれ、Androidであれ使うアプリは同じだから、安いAndroidでいいや」という人が多い。そのような市場でもiPhone購入者層が増加してきた。ローンをしてでもiPhoneを購入するという人も多い。先日訪問したラオスでも一番人気があり、人々が欲しい端末はiPhoneである(人気があるだけで、一番浸透している訳ではない)。
このような新興国において、従来の実利主義的に「スマートフォンや携帯電話なんて使えれば何でも同じ」という感覚から、若者を中心に「高くてクールな最新のiPhone」を持つことがステータスになろうとしている。中国でもiPhoneは一種のステータスで、中国人は「自らの虚栄心を満足させるためにiPhoneを所有」することが多い。このような感覚が周辺のアジア諸国にも伝播しようとしているのかもしれない。