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ワクチン接種後の「痛み」「腫れ」の対策 #専門家のまとめ

倉原優呼吸器内科医
(写真:イメージマート)

インフルエンザワクチンや新型コロナワクチンだけでなく、大人になってからも、肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチン、RSウイルスワクチンなどさまざまなワクチンが接種される時代に入りつつあります。接種後に腕が痛くなったり腫れたりすることがあると思うので、その対策をまとめてみました。

新型コロナワクチンに関する記事が多いですが、インフルエンザワクチンについても同じなので、参考になるかと思います。

▼入浴について質問する人が多いのは、「終戦後のワクチン施策」と「日本独特のお風呂文化」が影響している。

▼ワクチン接種後の発熱・痛み・腫れに対して解熱鎮痛薬を内服しても問題ない。

▼ワクチン接種後の発熱・痛み・腫れに対して、湿布を貼る医学的根拠は明確ではない。痛みをおさえるなら、解熱鎮痛薬の内服を。

まとめ

副反応で発熱がつらければ無理に入浴する必要はありませんが、特に入浴について制限はありません。

個人的には湿布まで貼らなくてもよいと思いますが、痛みや腫れをおさえるために解熱鎮痛薬を内服してもよいと考えます。

ちなみに、ワクチン接種する場合、どちらか片方の腕と決めておいたほうがよいかもしれません。たとえば、2回接種する新型コロナワクチンの研究によると、同側の腕のリンパ節を使ってあげたほうがワクチンの免疫獲得が良好になるという報告があります(1)。

(参考)

(1) Ziegler L, et al. eBioMedicine. 2023:104743.

呼吸器内科医

国立病院機構近畿中央呼吸器センターの呼吸器内科医。「お医者さん」になることが小さい頃からの夢でした。難しい言葉を使わず、できるだけ分かりやすく説明することをモットーとしています。2006年滋賀医科大学医学部医学科卒業。日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医・代議員、日本感染症学会感染症専門医・指導医・評議員、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医・代議員、インフェクションコントロールドクター。※発信内容は個人のものであり、所属施設とは無関係です。

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