乳房や男性器を露出する理由…ギリシア神話に登場する神々が服を着ていない真相とは
ギリシア神話とは、多種多様な神々が登場し、それぞれの愛憎や欲望を巡って対立する物語です。
この神話に登場する神々は、古くから絵画や彫刻など、芸術作品のテーマに起用されてきました。
そして、女性男性にかかわらず、そのほとんどが裸体であるという共通点があります。
一体、なぜでしょうか。詳しくみていきましょう。
□古代人の露出思考
紀元前776年に古代ギリシアのエリス地方・オリンピアで始まった「古代オリンピック」をご存知でしょうか。
現・オリンピックのルーツといわれており、開催地オリンピアが信仰する主神「ゼウス」に捧げるスポーツ大会として誕生しました。
この当時のギリシア人は人間の裸体を神聖なものであると信じ、披露することで神に喜んでもらおうと考えていたのです。そのため、古代オリンピックに参加した選手は全員全裸でした。
また、筋肉質な男性の肉体美は至高とされ、古代ギリシアでは定期的に「美男コンテスト」なるものも開催されていたほど。
上記のような背景があり、男性の裸体に関する芸術作品が多数存在したのです。
では、女性の裸体作品はどのようにして普及したのでしょうか。
□禁欲社会と性欲
女性の裸体作品が歴史上に普及しはじめたのは、14世紀(ルネサンス紀)のことです。
当時のギリシアは、キリスト教の影響を強く受ける「禁欲社会」でした。
そのため、女性の裸体や露出の多い絵画や彫刻も禁止されてしまいます。
そこで、当時の画家や彫刻家は、どうにかして女性のエロスを表現できないかと考えた末に辿り着いたのが、ギリシア神話をモチーフにした神聖な作品という建前でした。
これにより、罪の意識をなくして女性の裸体を鑑賞・製作することが可能になったのです。
エロスを目的に製作された絵画や彫刻は決して少くありません。それは禁欲社会の反動として現れ、エロス作品を製作する爆発的な発想力や集中力の糧となり、現代人を魅了するほどの芸術作品にまで仕上げたのだと思うと感慨深い深いものがありますね。