【神戸市中央区】イタリアローマの噴水が神戸に!大倉喜八郎に伊藤博文?意外な歴史を秘めた「大倉山公園」
異国情緒漂う街 神戸には、北野異人館街など、外国の雰囲気を感じられる場所がたくさんありますが、神戸文化ホールがある「大倉山公園」にもこんなものが!
イタリア・ローマのテルミニ駅近く、レパブリカ広場にあるエセドラ噴水を模して造られた噴水「水とたわむれる子供達」。
大理石で造られ、高さ2.5m、水盤の直径は20m。神戸市出身ローマ在住の個人の方の寄贈によるものだそうです。
イタリアっぽいかも。行ったことないですが(笑)
この「大倉山公園」は、明治43年に、大実業家である大倉喜八郎の別荘であった土地の寄贈を受け、明治44年10月に整備、開設されたもの。大倉喜八郎は一代で大倉財閥を築いた人物で、渋沢栄一らと共に、鹿鳴館、帝国ホテル、帝国劇場などを設立しました。ちなみに、ホテルオークラ は、長男の大倉喜七郎が設立。
「大倉山公園」が、渋沢栄一と関係がある大倉喜八郎の別荘であり、名前の由来がそこにあることを知る人は多くはないと思います。
噴水から道を隔てたエリアに歩を進めると、ピラミッド状のこんなものが見えてきます。
これは、初代兵庫県知事でもある旧伊藤博文公銅像台座です。
銅像は、当初は湊川神社本殿の横に設置されていました。しかし、日露戦争の講和条約の内容に憤慨した群衆に引き倒されてしまいました。そして、1909年にハルピンで伊藤博文が暗殺された後、親交のあった大倉喜八郎が改めて銅像を再建。伊藤博文の銅像自体は、第二次世界大戦で金属供出されたことで台座だけが残っています。
この台座は、京都帝国大学工学部建築学科の初代教授である武田五一の設計によるもので、台座上部の形状は、階段状のピラミッドがあしらわれています。京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)で、その武田五一に建築を学んだのが吉武東里。国会議事堂の実質的な設計者と言われています。
師匠が設計した台座のデザインを取り入れて、国会議事堂が設計されたことから、この台座は国会議事堂の尖塔のモチーフとなっています。
最初、イタリア ローマの噴水に模した噴水があるということに興味を惹かれ、「大倉山公園」を訪れましたが、こんなに深い歴史があったとは知りませんでした。驚きです。
神戸文化ホールに足を運んだことのある神戸市民は多いかと思いますが、隣にあるこの噴水と旧伊藤博文公銅像台座にもぜひ足を運んでみてください。意外な歴史に触れられますよ。
なお、噴水の写真を撮る時は、周囲のビルがあまり写り込まない海側に向けたアングルがベストです。
基本情報
名称:大倉山公園
住所:神戸市中央区楠町4丁目、7丁目他
常時開放、入園無料
アクセス:神戸市営地下鉄大倉山駅下車すぐ