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E-1サッカー選手権優勝を遂げた日本代表全選手の採点をランキング。評価を高めた選手、下げた選手は誰?

中山淳サッカージャーナリスト/フットボールライフ・ゼロ発行人
(写真:ロイター/アフロ)

出場全選手のパフォーマンスを採点

 日本が9年ぶりの優勝を飾ったE-1サッカー選手権。開催時期が時期だけに、何かとカタールW杯メンバーと絡めた話題が増えたが、実際のところ、今回のW杯は変則スケジュールで開催されるだけに、今大会からW杯メンバー入りを目指すのは難しい現実がある。

 しかしながら、今回代表デビューを飾った選手も多く、長い目で見ればそれぞれの選手が収穫と課題を得られた大会でもあった。

 そこで、今大会に出場した全選手のパフォーマンスを試合ごとに採点し、合計値と平均値を算出。出場試合数およびスタメン出場数ごとに分けて、その数値をランキングしてみた。

 森保監督が誰を評価し、誰にチャンスを与えたのか。そして、各選手はその期待にどれだけ応え、タイトル獲得に貢献したのか。以下が、その結果になる。

※カッコ内の採点は、香港戦、中国戦、韓国戦の順。「採点不能」は出場時間が短いケース。

≪3試合出場/2試合先発≫

相馬勇紀【7.0、採点なし、7.0】=計14、平均=7

西村拓真【7.0、採点なし、6.0】=計13、平均=6.5

町野修斗【7.0、5.5、6.5】計=19、平均=6.33

≪2試合出場/2試合先発≫

藤田譲瑠チマ【6.0、出場なし、7.0】=計13、平均=6.5

谷口彰悟【6.0、出場なし、6.5】計=12.5、平均=6.25

岩田智輝【6.0、出場なし、6.5】計=12.5、平均=6.25

畠中槙之輔【6.0、出場なし、6.0】計=12、平均=6.0

水沼宏太【6.5、出場なし、5.5】計=12、平均=6.0

小池龍太【出場なし、5.5、6.0】計=11.5、平均=5.75

佐々木翔【出場なし、5.0、6.5】計=11.5、平均=5.75

≪3試合出場/1試合先発≫

宮市亮【5.5、6.0、採点なし】計=11.5、平均=5.75

脇坂泰斗【5.5、6.0、5.5】計=17、平均=5.66

≪2試合出場/1試合先発≫

中谷進之介【6.0、6.0、出場なし】計=12、平均=6.0

橋本拳人【出場なし、6.0、採点なし】計=6.0、平均=6.0

杉岡大暉【5.5、5.5、出場なし】計=11、平均=5.5

森島司【出場なし、5.0、5.5】計=10.5、平均=5.25

≪1試合出場/1試合先発≫

山根視来【6.5、出場なし、出場なし】計=6.5、平均=6.5

鈴木彩艶【6.0、出場なし、出場なし】計=6.0、平均=6.0

大迫敬介【出場なし、6.0、出場なし】計=6.0、平均=6.0

谷晃生【出場なし、出場なし、6.0】計=6.0、平均=6.0

荒木隼人【出場なし、5.5、出場なし】計=5.5、平均=5.5

野津田岳人【出場なし、5.5、出場なし】計=5.5、平均=5.5

細谷真大【出場なし、5.0、出場なし】計=5.0、平均=5.0

≪2試合出場/先発なし≫

満田誠【出場なし、5.5、採点なし】計=5.5、平均=5.5

≪1試合出場/先発なし≫

大南拓磨【5.5、出場なし、出場なし】計=5.5、平均=5.5

岩崎悠人【5.5、出場なし、出場なし】計=5.5、平均=5.5

 際立っていたのは、大会MVPを受賞した相馬の活躍ぶりだ。香港戦では直接フリーキックの得点を皮切りに、最終的に2ゴール1アシスト。続く中国戦こそ出場時間が短く採点不能だったが、韓国戦では試合の流れを変える先制点をマークし、コーナーキックで佐々木のゴールも演出。平均7点は、全選手のなかで最高評価だった。

 相馬と同じく全3試合に出場した西村と町野も、先発した2試合で活躍。どちらも今大会で代表デビューした選手だが、とくに町野は香港戦で2ゴール、韓国戦でも1ゴールを記録。目に見える結果を出したことで、今後の自信につながったはずだ。

 2試合に先発した選手のなかでは、藤田のパフォーマンスが目を引いた。とりわけ、雑さが目に付いた香港戦から一転、韓国戦では相馬とともに存在感を発揮。抜群のクロス供給から先制ゴールをアシストするなど、短期間で目を見張る成長を見せつけた。

 藤田はパリ五輪世代の中軸だが、今大会で得た自信と成長を、今後どのように進化させていくのか。再開後のJリーグでも注目の的となるだろう。

 また、先発は1試合だったものの、全3試合に出場した宮市と脇坂は、決して満足のいくパフォーマンスを見せられたわけではないが、森保監督からの期待の高さがうかがえたのは事実。残念ながら、宮市は韓国戦で負傷交代を強いられたが、それぞれの試合で見せたパフォーマンスは上々だった。

 脇坂は、先発した試合が違っていれば、もっと持ち味を発揮するチャンスがあったと思われる。今回は活躍できたわけではなかったが、実力の片鱗は見せたことは間違いないので、おそらく今後も日本代表でプレーする機会はおとずれるだろう。

 いずれにしても、貴重な国際試合を経験したことで、各選手はこれまで以上に高い意識で所属クラブでのプレーに集中するはず。彼らの変化、成長を見ることも、ファンにとっては再開後のJリーグを見るうえでの楽しみのひとつになるはずだ。

サッカージャーナリスト/フットボールライフ・ゼロ発行人

1970年生まれ、山梨県甲府市出身。明治学院大学国際学部卒業後、「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部に入り、編集長を経て2005年に独立。紙・WEB媒体に寄稿する他、CS放送のサッカー番組に出演する。雑誌、書籍、WEBなどを制作する有限会社アルマンド代表。同社が発行する「フットボールライフ・ゼロ」の編集発行人でもある。

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