10~12月期GDPは前期比マイナスに
内閣府が15日に発表した2023年10~12月期の国内総生産速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.1%減、年率換算で0.4%減となった。事前の予測の中心値は年率1.0%増となっていたことで、予測を大きく下回り、2四半期連続のマイナス成長となった。
前期比年率の寄与度は、内需がマイナス1.1ポイント、外需がプラス0.7ポイントとなり、内需の弱さが目立っていた。
個人消費と設備投資を中心に内需が軒並み落ち込んでいた。個人消費は前期比0.2%減で、3四半期連続のマイナスとなり、設備投資も前期比0.1%減で、3四半期連続のマイナスとなった。
計算上は輸出に分類されるインバウンドの日本国内での消費は前期比14.1%増となり、輸出も前期比2.6%増となっていた。それ以上に個人消費と設備投資を中心に内需が落ち込んでいたこととなる。
名目GDPは前期比0.3%増、年率換算で1.2%増と2四半期ぶりのプラスとなっていた。名目GDPは、円ベースでは過去最高額となっていた。
内閣府がドル換算した名目GDPは4兆2106億ドルとなり、同じくドル換算したドイツのGDPは4兆4561億ドルだったことから、日本の名目GDPはドイツに抜かれて世界4位となった。人口規模で3分の2のドイツに抜かれたことになる。
日本の名目GDPは円安を背景にドル建てで目減りしたことに加え、ドイツは日本より物価上昇が大きかったことも要因となった。
日本は1968年に国民総生産(GNP)で米国に次ぐ2位となったが、2010年に名目GDPで中国に抜かれ、世界3位に転落し、今回はドイツに抜かれた。