なぜ、iPhoneには32GBのモデルがないのか?マジックナンバー「3」の秘密
KNNポール神田です!
これはまさに、日本の「松竹梅マーケティング」そのもの
日本では昔から、商品やサービスの価格を、「松・竹・梅」の3クラスにわけてきた。
なぜそれをやるのかというと、ミドルプライスの「竹」が一番売れるからだ。
特にレストランなどでは、ランチタイムには「梅」かもしれないが、ディナーでは圧倒的に「竹」となる。
iPhoneも「6」シリーズから、16GB・64GB・128GBというラインナップになった。
3つのラインナップだから選びやすいく、比較検討しやすいのだ。それでも、一番売れている32GBが欲しい人は仕方なく64GBにせざるをえない。絶対に半分の容量の16GBにいくことはない。
Apple買うなら最上位モデルの残存リセールバリュー買い!
Appleの iPhoneの場合はAndroidと違って、リセール・バリューの価値が高いので、容量の差は、2年以内の下取りならば、ほぼ差額は下取り価格で反映されるので、最大の容量の最上位を購入するべきだろう。現在ならば、当然、128GBにすべきだ。オークション出品でも確実に落札されやすくなる。ただしあなたが、2年以内に買い替えしていくユーザーであればの場合だ。
アップルのマーケティングにおけるマジックナンバーは「3」
iPhoneシリーズも 「6Plus」「6」「5S」と3つのラインナップだ。
カラーバリエーションも 「シルバー」「ゴールド」「スペースグレイ」と3種類だ。
4つ以上のラインナップがあると、結局、人間は「機能の差」と「自分が使っているイメージ」がしにくくなる。
シンプルなマーケティングで考えると、当然「3」というマジックナンバーの選択肢を意識せざるをえなくなる。
2つのチョイスでは、イチかバチかの究極の選択だが、3つのチョイスであれば、一番妥当なものを選んだ気さえするからだ。最悪のチョイスは少なくとも避けることができたような気になる。それが3つの選択肢の利点だ。
ペンタックスのK-rのカラーバリエーションは、ボディが12色、グリップが10色なので合計120スタイルあった。
これは悩むばかりで、差異も使っているイメージもしにくい。
Apple WATCHの「モデルチェンジ」は1年後にすべきだった
AppleのApple Watchの選択枝の多さは、発売一年後の「機能のブレイクスルー」と「ファッションブレイクスルー」を交互にやるべきだったと思う。
2サイズ×6材質×6バンドのバリエーションで、72スタイルもある。
3サイズ ×3材質 ×3バンド の27スタイルでよかったのでは? 翌年度に6材質×6バンドの「モデルチェンジ」にすれば新たににバンドだけでも買い換えたいという需要も生まれたのに…。あ、Apple Watchまだ発売になってませんでしたね。今からでもバンドだけは3種類にすべきだろう。
GMシボレーが「モデルチェンジ」を発明した
今から約100年前、1920年代中版、初の量産型のフォード社のモデルT型の販売実績を、やぶったのはGM社のシボレーだった。その手法は、親会社デュポン社の塗料技術によるカラーバリエーションによる「モデルチェンジ」であった。黒1色の重厚感あるブランドを大切にしすぎたフォードはカラフルなシボレーに差を開けられる。
その後、一年毎に変化する自動車業界における「モデルチェンジ」マーケティングは1970年まで、毎年繰り返されたというから驚愕である。それと共に、「自動車ローン」という金融販売手法や「下取り」というリセールバリューも発明された。
クルマを発明したことよりも、次の世代はクルマを使う人の環境を発明していかなければならない。
Appleの生み出したパーソナルコンピュータ、iPod、iTunes Store、iPhone、iPad、Apple TV、iTunes Match、Apple WATCH…続々と製品のラインナップは増えるが、100年前の「ローン」や「下取り」に変わるような「モデルチェンジモデル」をAppleは、まだ何も発明していない。