「一人回転寿司」はアリやナシや・全世界は知らんと欲す
一人身世帯の増加、ライフスタイルの変化、そして外食産業の移り変わりを受け、一人での来場客に対応するスタイルの外食店が増えつつある。元々ハンバーガーチェーン店や牛丼屋などのファストフードはその傾向が強いが、昨今では居酒屋、焼き肉店、ファミリーレストランでも、一人の来店を歓迎する施策を導入しつつある。また、従来ならば複数人数、家族連れで来客するのを前提としたそれら外食店に一人で来店し、料理と雰囲気を楽しむスタイルを是とし、むしろ積極的に推し進める傾向は、料理漫画・テレビドラマの「孤独のグルメ」の影響が小さくないとする意見も多い。
今回は和風ファミレス化しつつある回転寿司店における一人での利用、つまり「一人回転寿司」に関して、マルハニチロが2014年4月に発表した回転寿司に関する消費者実態調査から、現状の社会的認識を確認する。比較的難易度が高いと思われる「一人回転寿司」をすることが多い人はどれほどいるだろうか。回転寿司店利用者に限っても、12.7%が「よく利用する」と答えている。
今調査では所属世帯の構成人数に関する振り分けは無い。見方を変えれば、世間一般の比率がほぼそのまま適用されている。単身世帯の方が「一人回転寿司」率は高くなるだろうが、それを考慮しても1割強が良く利用すると答えている。
属性別では男性が多く2割近く。エリア別では関東の方が2倍近く高い値。クロス属性では関東在住の男性で1/4が一人回転寿司をよく楽しむとの結果が出ている。関西に回転寿司店の数が少ないわけでは無いのだが、食文化上の違いが出ているのだろう。同調査の別項目で確認した限りでは、回転寿司の利用頻度は関東・関西で有意な差は出ていないので、見方を変えれば関西の方が「回転寿司は他人と一緒に楽しむ」人が多いことになる。
一方、自分自身が行う・行わないは別として、一般論として回転寿司を一人の食事の時に使うのはアリかナシかを聞いたところ、8割以上の人は「アリ」と答えた。一人回転寿司を容認する人が多数に登っている。
少なくとも回転寿司を利用する人たちでは、「一人回転寿司」はアリとする認識で固められている。また属性別の容認派傾向は、ほぼそのまま実際に「一人回転寿司」をする人の割合と連動しているのが分かる。アリとする人の一定率の人が積極的に実践しているわけだ。特に関東在住の男性は86.0%と9割近くが容認しているのが注目に値する。
ちなみに今件一連の項目は「月一以上で回転寿司に行く人」(全体の34.7%)を対象にしている。回転寿司を利用しない人に「一人回転寿司はするか」と聞いても意味がないからである。残りの65.3%が「一人回転寿司」をどのように思っているかまでは分からない。
「一人回転寿司」に限らず「一人外食」の類が敬遠される理由の一つとして、「他人がどのように思っているか」が係わってくるため、気になるところではあるのだが……。
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