シートベルトの着用率、一般道路での後部座席同乗者は43.7%にとどまる(2024年公開版)
JAF(社団法人日本自動車連盟)と警察庁は2024年2月16日、自家用乗用車などの利用者を対象に2023年10~11月に実施した「シートベルト着用状況全国調査」の結果を発表した。それによると一般道路での運転者の着用率は前年比プラス0.1%ポイントの99.2%、高速道路などでは前年比変わらずの99.6%と高い割合だったのに対し、後部座席同乗者はそれぞれ43.9%(前年比プラス0.8%ポイント)・78.7%(前年比プラス0.7%ポイント)だったことが分かった。
シートベルトは正しく着用することで、「確実に」交通事故による犠牲者が減ることは数字の上でも証明済み。【警察庁の広報ページ「全ての座席でシートベルトを着用しましょう」】でも「後部座席におけるシートベルト非着用時の致死率(死傷者数に占める死者数の割合)は、一般道路で着用時の約3.6倍・高速道路で着用時の約15.4倍」など、それを裏付ける値が示されている。関係者・団体による啓蒙活動などが功を奏し、少しずつ着用率は上昇しているが、いまだ100%には至っていない。
また2008年の改正道路交通法施行(後部座席も含めた全席シートベルト着用義務化)に伴い、後部座席においても着用率は2008年から急激な上昇を示している。それでも高速道路などで7割台・一般道路では4割台と、前部座席と比べて着用率はまだ低く、さらなる啓蒙が必要とされる。
全般的に高速道路などにおける着用率の方が、一般道路と比べて高い。これは高速道路の方が運転速度が速く、その分事故の際のリスクが大きい(と認識されている)ため、運転者なども身構え、気をつける割合が高い結果によるもの。しかしながら一般道での走行速度でも、万一の際におけるシートベルトの着用の有無による「リスク」の差は極めて大きい。
「普通の道路の速度なら、シートベルトをしなくても問題は無いだろう」「事故など滅多に起きない」「面倒くさい」「きゅうくつだから」「目的地まで数分で行けるから」「エアバッグがあるから」「注意しているから事故など起こすはずがない」「後ろの座席は安全だから」との油断は禁物。後部座席でも着用率は少しずつ上昇しているものの、それでもまだ運転者と比べればはるかに低い。「自動車に乗ったらまずは全員がシートベルト」を習慣とするよう、運転者も同乗者も皆、心がけてほしい。
特に後部座席に座る子供は、きゅうくつさ、身動きの取れなさからシートベルトの着用を嫌がる傾向がある。その時にはまず運転者・助手席同乗者などの親が着用し、その姿を自慢しながら教えさとすことをお勧めする。子供は親の真似をするもの。親が積極的に、嬉しそうにシートベルトをすることで、子供も積極的につけるようになるに違いない。
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