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【横須賀市】ハーモニカ演奏会 主役は中学1年生

るりちゃん地域情報発信ライター(横須賀市)
るりちゃん エキスパート 地域情報発信ライター(横須賀市)


今年3月20日、桜を見ながら、ハーモニカを聞くという老人会のイベントがあり、行ってみようと思いました。思えばハーモニカは私の小学生時代に音楽の授業で一生懸命に練習した身近な楽器…しかも演奏会には、中学1年生でハーモニカの全国コンクールで優勝した男の子が出演するという。

桜の花の下で、懐かしい音色が聞けると思い、楽しみに出かけました。あいにく、お花見にはまだ少し早い~ということで当日急きょ町内会館での演奏会になりました。

場所は町内会館にある【だべり場】

行ってみると、会場はすでに人でいっぱい。当たり前のことだけれど、ほとんどが高齢者の中で、石渡太陽君が現れたときはまさに太陽のように眩しく見えました。彼は小学5年生の時、日本ハーモニカ芸術協会主催の第11回複音ハーモニカコンクールジュニア部門(小、中学生)で優勝しました。

曲目は、思いがけず幅が広く、そのレパートリーの多さに驚きました。驚いたのはそればかりではなくて、吹き方、音色の多様性に彼の口元にくぎ付け…あっと言う間に会場全体が魅了されていきました。彼がひとたび口にすると、ハーモニカは魔法にかかったように、軽やかに、時に激しく、また優しく語り掛けるように多彩な音を放ちました。太陽君とハーモニカが一つになって、絶妙なハーモニーを奏でているよう~

太陽君の演奏が終わった後、市内のハーモニカクラブ、ともしびの皆さんの演奏で出席した人々が全員で歌いました。

演奏を終えて、一緒に来られたお母さんと後方で座っていた太陽君。演奏の時とは違って、リラックスした表情で時々お母さんと楽しそうに談笑していた姿が印象的でした。

今回太陽君の記事を掲載するにあたって、祖母の石渡博子さんのお話を伺うことができました。そもそも太陽君がハーモニカを吹くきっかけを作ったのは祖母の博子さん。太陽君が6歳の時、何か音楽をさせたいと思い、ピアノとハーモニカ、どちらを選ぶか聞いたところ、太陽君は博子さんのやっていたハーモニカを選んだそうです。彼のお姉さんのピアノの練習が厳しかったからかな?と博子さん。幼稚園の年長児から、博子さんと同じ横須賀ハーモニカ愛好会の教室に通い始めてもう8年。今も月2回は教室にいき、自宅では毎日30分練習しているそうです。

演奏会では、懐メロといわれるような古い曲から、かなりのテクニックを要する難しいクラシックまで幅広く聞かせてくれました。レパートリーは100曲位あるとか~。博子さんから見せて頂いた6年生の時の取材動画の中で、太陽君はこんな事を語っていました。「ポケットに入るような小さな楽器だけれど、色々な技を使って色々な音を出せる、それがハーモニカの魅力…中学生になっても練習して世界大会で優勝したい」

博子さんからそんなお話を伺っているうちに中学2年生になった太陽君が学校から帰って来ました。彼にとってはハーモニカは特別な存在ではないと思う~そう話される博子さん。太陽君を見つめる目は深く、おおらかな愛情に満ちていると感じました。                  

ハーモニカを吹く時、一番大変だと思うことは何か、彼に聞くと、「唇が渇いていると吹けないので、唇が渇かないようにしなくてはいけないこと」と答えてくれました。

今でも通っている教室の恩師、沢柳先生は、「持って生まれた天性の音感の良さの上に練習熱心」と将来の彼に期待を寄せています。6歳の時、ピアノではなく、ハーモニカを選んだ太陽君。ここ走水の地からいつか世界へと羽ばたいていく日がくることを心から願いました。              

 演奏会の情報

 10月27日(日) 横須賀ハーモニカ愛好会定期演奏会

         ベイサイドポケット

         13時30分開場

         14時開演の予定です。 入場無料

地域情報発信ライター(横須賀市)

海と山に囲まれた自然豊かな走水地区、一方で住民の高齢化が進み、150年の歴史を持つ日本一海に近いと言われる走水小学校が近隣の小学校に統廃合されます。そんな地元やその周辺を歩き、面白い情報、、気になること、時々カフェなど巡りながら地域の皆さんとともに元気が出るような記事を発信していきます。

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