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【大崎市鳴子】本当は誰にも教えたくない名湯「ホテル瀧嶋」の薬湯に入った衝撃と感動を分かち合おう

さやかセラピスト兼Webライター(大崎市・石巻市)

寒さが厳しくなってきました。この寒い冬を乗り切るためのとっておきの温泉を紹介したいと思います。

ここは大崎市鳴子【ホテル瀧嶋】さんです。

ネットにあまり載っていないので、知名度は低いのですが、地元の人が口をそろえて「良い」と言っている穴場の温泉です。

写真を見た皆さんはこう思ったでしょう。

「ずいぶん古そうな建物だなぁ」

確かに、かなり年季が入っている様子。周辺には大手温泉チェーンが運営する旅館や大きくて立派な建物がたくさんあります。よほどマニアックな人以外、外観でここを選ぶ可能性は低いでしょう。だからこそ、穴場なんです。

この、ホテル瀧嶋には『薬湯(くすりゆ)』という名湯があるんです。薬という言葉を冠しているくらいなので効能が凄いお湯なのでしょう。気になるので早速、入浴してみます。

フロント奥の階段を降り、廊下を進むと手前に男子浴室、奥に女子浴室があります。そこのお風呂もめちゃいいお湯なのですが、お目当てはさらに奥。階段の降り口にプレートがあり、ここを地下まで降りたところに薬湯の浴場があります。

この浴場は男女関係なく、貸切りで入浴するスタイル。家族、パートナー、友達同士でぜひ。もちろん1人でも。他の人が入浴中の場合は上がってくるまで廊下のベンチに座って待つ。「いつまで待てばいいの?」って思っちゃうけど大丈夫。この薬湯は温め力が凄いから、長時間入っていられないそうだ。ほとんどの人が15分くらいで上がってくる。

入浴中かどうかは階段の手すりにかかっている札を確認しよう。

写真のように『空』の札なら入浴可能です。

そして、自分が入浴する際は、この札をひっくり返し『入浴中』にします。そうしないと、空いてると思って誰かが入ってきちゃうかも知れないからね。

札を裏返し、階段を降りていきます。

踊り場を経て、さらに下へ。降りたところに扉があります。

入浴中でなければ扉は空いている。写真は空いている状態
入浴中でなければ扉は空いている。写真は空いている状態

扉を開けると脱衣所です。入ったら内側からカギをかけます。

脱衣所からしてもう暑い…。ここに居るだけであったまりそう。

浴場はこんなカンジ。

写真の右上に大きな穴が見える。ここからミスト状の湯気がもうもうとたちこめる。この熱で洗い場までポカポカだ。

洗い場にはシャワー、ボディソープ、リンスインシャンプー有り。身体を洗ったら、いよいよ湯船に浸かる。

「ひえっっ、あっつーーー」

入った瞬間、熱さに驚く。でも不思議、少しすると平気になってくる。

湯温の高さとは別に、瞬間的に感じる熱さ。ここのお湯は、入ると体温をグンッと上げるので、その格差で最初はすごく熱いと体が勘違いしてしまうそうだ。

しかし、すぐに気持ちよさが追い付いてくる。肌なじみのいいお湯。電気モーターで汲み上げるお湯にはないやわらかさ。自然に地上まで湧き出てくる自噴のお湯ならではなのだそう。

2~3分ほど浸かると早くも身体が温まる。そうしたら洗い場で休憩したり、ゆっくり半身浴に切り替えよう。長く浸かっているとのぼせる危険性がある。おまけに洗い場も脱衣所もサウナ並に暑い。おひとりさまで入る方は特に、身体を拭いて服を着るだけの余力を残して上がろう。

地下の貸切風呂でひとりきり、ぶっ倒れたら大変だ。

女子浴室の脱衣所。『薬湯』の脱衣所にはドライヤーがないので、髪を乾かしたい人は、着衣の上、男女それぞれの浴室脱衣所に移動しよう
女子浴室の脱衣所。『薬湯』の脱衣所にはドライヤーがないので、髪を乾かしたい人は、着衣の上、男女それぞれの浴室脱衣所に移動しよう

冷え性、かつ湯冷めしやすい私は、温泉へ行くと1時間以上は滞在するのが基本。しかしこの瀧嶋さんは例外で、滞在時間は15分。着脱衣の時間を引いたら10分ほどだろう。でも、湯冷めしない。取材日は11月の下旬、寒い日にも関わらず、入浴後2時間もポカポカしてた。

10分チャージ2時間キープ。すぐ温まって、いつまでも温かい。

休憩用の個室
休憩用の個室

冬は長時間ポカポカして心地よいが、夏場は上がってからも暑い。汗っかきの人は帰りの車の中でも汗だくになり、途中のコンビニで下着を買って替えるお客さんもいるとお店の方は語る。

そんなときは、個室休憩がオススメ。貸出の浴衣がついて¥2100だそう。湯上りは、浴衣でゆっくり休むのもいい。

宿泊もできます。お値段もリーズナブル。素泊まりのみですが、コンビニが近くにあるので安心です。薬湯の他にも男女それぞれの浴場がある。こちらは薬湯ほど急激な温まり方はしない。ゆっくり浸かって、じんわりと身体に熱が入っていく心地よさを味わえる。

薬湯に入ってしまうと、別のお風呂に入る余力が残っていない可能性が高いので、宿泊や休憩で、両方のお風呂に入るのもいい。違いを楽しむのも粋だ。

そして薬湯の凄いところは温め力だけではない。感動するのはお肌。

「あれ⁈私の肌ってこんなにスベスベだったっけ?」って思っちゃうんです。

そんな凄いお湯に入ってみたいけど、遠くてなかなか行けない…。頻繁には通えない…。という方にはこちらをオススメ。

ホテル滝嶋『薬湯』の成分をどっさり詰め込んだボディソープがあります。

ボディだけでなく、髪、洗顔に使ってもOK、その名も『OKちゃん』

300ml  ¥1980  詰替 480ml   ¥19808
300ml ¥1980 詰替 480ml ¥19808

これも愛用している私。薬湯の成分が45パーセントも入っている。それなのにリーズナブルな価格で顔、髪、身体に使っても1年以上もつ(480ml使用)コスパの良さも嬉しい。

ホテル滝嶋フロントで購入できますが、遠方の方には電話での注文と発送にも対応しているそうです。

その他、以下の場所でも販売しています。

・仙台オリオン調剤薬局 高砂店

・池月郵便局 (あ・ら伊達な道の駅隣)

・古川醸室 内蔵10 (Dozo)

※店舗により価格が違います。

知る人ぞ知る名湯、ホテル瀧島。外観も内部も年季が入っているので、知らない人はスルーだろうし、あまりインスタ映えもしない。ネットにもほとんど情報が載っていない。

しかし、私が取材でお話を伺っている間にも、薬湯ファンが次々と入浴しにやってくる。

「ここのお湯、いいわよねえ。すっかりハマっちゃって、毎週来てるのよ」

ご夫婦で週に一度のペースで通っているという、奥様の声。ちょっと年配のご夫婦だったが、入浴後の笑顔と肌ツヤのなんとまぶしいこと。

私同様、薬湯の虜になった人々が確実にいるようだ。まずいな…。薬湯は1組ずつしか入れないので、さらにファンが増えたら私が入る余地がなくなるかも知れない。独り占めもできないし、穴場でもなくなってしまう。だから本当は紹介したくない。

けれども、自分が惚れ込んだものにみんなも惚れ込んでくれたら嬉しいし、入ったときの衝撃と感動をみんなで共有できたら楽しそうだ。

大崎市の宝、鳴子温泉。その中でも地元の人が絶賛するホテル瀧嶋。

次に薬湯の虜になるのは、この記事を読んでいるあなたかも知れない。

【店舗情報】

名称:ホテル瀧嶋

所在地:大崎市鳴子温泉新屋敷28-1

TEL:0229-83-3054

料金、営業時間

入浴:¥700 9:00〜17:00

休憩:¥2100 10:00〜15:00

素泊まり:¥5650

・その他は応相談

定休日:不定休

セラピスト兼Webライター(大崎市・石巻市)

リラクゼーションセラピストをしながら、宮城県北をウロウロして記事を書いています。職業柄、身体や美容に良いものが好きです。2024年に書籍「舟を漕ぐチカラ」を出版しました。

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