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台風19号「スーパー台風」にまで発達

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
米軍合同台風警報センターHPより(8日朝)

台風19号は、8日、フィリピンの東海上で発達のピークを迎えています。眼もはっきりしていて、中心気圧は、発生から5日間で100ヘクトパスカルも急速低下し900ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は60メートルで、「猛烈な勢力」にまでなっています。(”秋台風は発達”に関する記事→http://bylines.news.yahoo.co.jp/mikajiritomoko/20141003-00039645/

「猛烈な勢力」の台風は、年間2個程度発生しますが、今年は、台風11号、台風13号、そして今回の19号で3個目で、その中でも19号は最強で、「スーパー台風」にまで発達しています。

台風の強さはどうやって決めるの?

台風の強さの分類(気象庁HPより)
台風の強さの分類(気象庁HPより)

気象庁では、台風の強さの階級を、中心付近の風の強さによって分類しています。よく中心気圧の低さが取り上げられますが、気圧が低いほど空気を引きこむ力が強いので「気圧が低い=風が強い」というわけです。中心付近の風が強ければ強いほど、強力な台風に分類されます。日本では、強さのレベルを、「強い」、「非常に強い」、「猛烈な」と三段階にわけ、「猛烈な」勢力が台風の強さのレベルで一番上になります。ちなみに日本の分類には「スーパー台風」はありません。

スーパー台風って何?

猛烈な勢力の中でも、特に破壊力のあるものを「スーパー台風」ということがあります。これは定義なく使用される場合もありますが、本来は、アメリカの米軍合同台風警報センターの台風の強さの分類で、台風の中でも最も強いレベルのものが「スーパー台風」と定義されています。アメリカの風速の測定は、時間の単位が日本と違うので、そのまま比べることはできないのですが、アメリカでは最大風速が130ノット以上(風速67メートル)の台風をスーパー台風としています。去年、フィリピンで未曾有の被害をもたらした台風30号もスーパー台風でした。一番上の画像は、米軍合同台風警報センターの19号の画像で、左上に「SUPER TYPHOON 19W」と表示されています。

猛烈な台風19号(アメリカ表記はSUPER TYPHOON 19W)の今後の進路は?

http://www.jma.go.jp/jp/typh/

台風19号は、この後も海水温の高い海域(27度以上)を進み、9日以降は進路を北寄りに変え、週末には沖縄に接近する見込みです。勢力は今がピークで、徐々に強さのレベルは下がり、日本への接近時にはスーパー台風ではなくなっています。それでも沖縄には「非常に強い」勢力で接近するおそれがあります。その後、上空の偏西風に乗って、本州には三連休から14日にかけて、前回の18号よりさらに強いレベルで接近する可能性があります。

台風の接近前から前線の影響で三連休は大雨も懸念されます。気象庁の予報では、5日先の予報までしかでていないのですが、10日金曜日以降には、本州への進路もだいぶ分かってくると思いますので、早めの対策を心がけてください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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