【地球征服を達成した三世代の悪の組織とは?】人類存続を賭けた超力戦隊オーレンジャーの熱き戦いとは?
皆さま、こんにちは!
文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。
早いもので10月も後半戦に突入しましたが、皆さまいかがお過ごしですか?
さて、今回のテーマは「文明」です。
突然ですが、皆さまは「文明」という言葉を聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
今人々が生きている現代文明を思い浮かべる方もいれば、米映画『インディー・ジョーンズ』のような先史的な古代のロマンを連想する方もいらっしゃるかもしれません。長く進化と発展を繰り返してきた人類史において、世界各国では数々の文化やコミュニティが誕生し、それぞれ高度な文明を築き上げていきました。
世界各地の大河周辺で発生した4大文明(メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明)をはじめ、超古代から多種多様な国や民族によって形成されてきた「文明」ですが、日本が世界に誇る数々の特撮ヒーロー番組において、幾度も導入されてきた重要要素でもありました。
怪獣や宇宙人によってもたらされる大異変から地球を守るため、目覚めるべくして超古代のピラミッドから復活したウルトラマンティガに対し・・・。
決して開けてはならない遺跡の棺を現代人が開いた結果、復活した悪魔の集団に対し、超古代のベルトを受け継いだ現代人が変身した仮面ライダークウガ・・・。
学術上においても、いまだ私達現代人にとって未知の領域である超古代文明に対し、ウルトラマンと仮面ライダーはそれぞれ異なるアプローチから、独特な世界観を描いてきました。
そんな両作品に対し、同じく日本を代表する特撮ヒーロー番組である「スーパー戦隊シリーズ」においても、超古代文明の力で戦う者達を描いた作品がありました。
その作品とは『超力戦隊オーレンジャー(1995)』。シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー(1975)』から数えて、19作目のスーパー戦隊でした。
宇宙からの脅威に対して、地球を守ることを使命とする彼らが用いるのは、超古代文明の残したテクノロジー、即ち『超力』でした。
そこで今回は、超古代文明から継承された力である『超力』を使って戦う6人の勇者達の活躍を描いた、スーパー戦隊シリーズ第19作『超力戦隊オーレンジャー(1995)』の物語と海外展開を少しだけ、辿っていきたいと思います。
※本記事は「私、アニメや特撮にくわしくないわ」という方にもご覧頂けますよう、可能な限り概要的にお話をしておりますので、ゆっくり肩の力を抜いて、気軽にお楽しみ頂けたらと思います。
【超力変身!】超古代文明の力で戦うオーレンジャーってどんなスーパー戦隊?
さて本記事では、『超力戦隊オーレンジャー(1995)』の物語に触れていきますが、その前に少しだけ、スーパー戦隊シリーズについてご紹介させてください。
シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』が1975年に放送が開始されて以降、『太陽戦隊サンバルカン(1981)』、『忍者戦隊カクレンジャー(1994)』、『特捜戦隊デカレンジャー(2004)』、『海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)』、『王様戦隊キングオージャー(2023)』、そして最新作『爆上戦隊ブンブンジャー(2024)』まで全48作品がこれまで放送されてきました。
そんな数あるスーパー戦隊シリーズの中で、超古代文明からの大いなる力(超力)で戦う戦士達の活躍を描いたのが、シリーズ第19作『超力戦隊オーレンジャー(1995)』でした。
本作は、6億年前に超古代文明が生み出した機械生命体が築き上げた悪の帝国「マシン帝国バラノイア」から、超古代文明の残したテクノロジー(超力)を身につけた「オーレンジャー」達が地球を守る物語。
オーレンジャーと敵対する「マシン帝国バラノイア」は、6億年前に古代文明が創り上げた機械生命体が反乱を起こし、宇宙へと追放されるも数億年の時を経ながら同族の量産によって築き上げられた大帝国。強力な軍事力を持っている上、任務に失敗した者は例え同族であっても処刑するという冷酷無比な者達でした。(※余談ですが、任務の成功を条件に弟を皇帝に拘束された怪人・バラカクタスが、最終的に皇帝に粛正された弟の残骸を前に絶望し、自らも処刑されてしまった上、バラバラになった彼の頭を皇帝が踏みつける展開は、幼い子どもだった筆者に強烈なインパクトを残しました)。帝国を名乗るとあって、組織自体も王室体制。冷酷無比な皇帝(バッカスフンド)、ヒステリックな皇妃(ヒステリア)、わがままな皇太子(ブルドント)、そして皇帝一家にお仕えする侍従(アチャ、コチャ)がいます。
彼らは人間を奴隷にするために地球に侵攻し、侵略の邪魔となるオーレンジャーを倒すべく侵略兵器「マシン獣」(怪人)を毎週送り込みます。どれも強力な者達ですが、オーレンジャーは負けません。抜群のチームワークと超力で次々にマシン獣を打ち破っていきました。
そんなオーレンジャーと「マシン帝国バラノイア」との激しい戦いが毎週展開される中、物語は大きな転機を迎えることになります。
それは「マシン帝国バラノイア」内におけるクーデターの発生でした。
「宇宙の爆弾野郎」を自称するバラノイアの1マシン獣「ボンバー・ザ・グレート」が、皇帝・バッカスフンドがオーレンジャーに敗れたことを知って王位の座を狙ったのです。皇太子であるブルドントは皇位継承を巡るボンバーとの対決に敗れた上、皇妃・ヒステリアも宇宙に追放されてしまいました。
しかし、実は皇帝・バッカスフンドは存命であり、宇宙で妻との再会を果たした後に、息子であるブルドントに自らの強大なエネルギーを与え、死んでしまいます。父親から力を継承したブルドントは「カイザー・ブルドント」として復活。ヒステリアの姪であるマルチーワを新皇妃に迎え、親子三人で地球に戻り、「ボンバー・ザ・グレート」から皇位を奪還することに成功しました。
皇位奪還後、新体制となった「マシン帝国バラノイア」は非常に強い組織となりました。オーレンジャーの力の源である「超力」を地球から消滅させることに成功した上、オーレンジャーは超力を取り戻すために一時的に地球から離れなくてはならない状況に追い込む等、その実戦力はかなりのものでした。
守る者達がいなくなった地球はバラノイアにとって敵ではありません。地球はバラノイアによって占領されてしまいました(その期間はなんと半年間!)。そんな中、カイザー・ブルドントとマルチーワの間には息子(ブルドントJr.)が誕生。可愛い孫の誕生を機に、ヒステリックな性格かつ人命を軽視していた祖母・ヒステリアの中で、か弱き者を守る博愛の精神が生まれていくようになります。
・・・とはいえ地球を占領されてオーレンジャー達が黙っているわけがありません。超力を取り戻し地球へ帰還したオーレンジャーは反撃を開始し、カイザー・ブルドントとマルチーワを葬ります。
息子夫婦を失い、オーレンジャーに追い詰められたヒステリアは自分の罪を償うので、孫だけは助けて欲しいとオーレンジャーに懇願します。ヒステリアは自害し、彼女の孫である「ブルドントJr.」はオーレンジャーの仲間である「ガンマジン」が育ての親となり、皇帝一家に仕えていた侍従(アチャ、コチャ)もガンマジンと行動を共にすることとなったのでしたー。
上述してきた『超力戦隊オーレンジャー(1995)』の放送終了後、オーレンジャーは『Power Rangers ZEO(1996)』と題して、その活躍の場をアメリカをはじめとする海外市場へと拡げていきました。
私事ですが、幼少期から日本とハワイの二カ国で生活をしてきたので、『Power Rangers ZEO(1996)』の放送から現在まで、ハワイにてオーレンジャーのフィギュアをはじめとする玩具がスーパーやショッピングセンターに並んでいたり、オリジナルコミックが書店に並んでいる状況を、度々目の当たりにしてきました。他のスーパー戦隊に負けず劣らず、国境を越えた異国でもその存在感を発揮し続けるオーレンジャー達の姿には、正に「超力」を彷彿とさせる力強さを感じたものです。
日本だけに留まらず、世界を舞台とした活躍が今日も続いている『超力戦隊オーレンジャー(1995)』ですが、来年(2025年)で放送30周年を迎えます。来る30年という節目に向けて、オーレンジャーがこれからどんな活躍と進化を遂げていくのか、今後の展開に期待が高まります。
最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。
(超力戦隊オーレンジャーを視聴するなら)
・東映特撮ファンクラブ(TTFC)(外部リンク)
(参考文献)
・菅家洋也、「講談社シリーズMOOK スーパー戦隊シリーズ Official Mook スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1995 超力戦隊オーレンジャー」、株式会社講談社
(本記事でご紹介した米国ハワイ州 観光地アクセス)
・Polynesian Cultural Center
住所:55-370 Kamehameha Hwy Laie, HI 96762
公式サイト:https://polynesia.jp/(外部リンク)
・International Market Place
住所:2330 Kalakaua Avenue Honolulu, HI 96815
公式サイト:International Market Place | World-Class Shopping and Dining in Honolulu, Hawaii (外部リンク)