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「老いたくない」と思って生きているすべての女性へ

理学療法士/ケイシー理学療法士、骨盤底筋指導士、マタニティヨガインストラクター

私がウィメンズヘルス を伝えることへの

一番強い想いのお話です。

これは10代の頃からの自分自身のテーマで、

時間をかけて書きました。

読んでいただけたら嬉しいです。

病院で仕事をしていて患者様から

本当によく聞く言葉

「歳には勝てない」「若い子には敵わない」

「どんどんダメになる」

眉毛を下げて口々に皆そう言います。

生まれた時から死ぬことは決まっていて

歳を重ねればシワが増えて衰えるわけで

それは子供でも知っていることなのに

いつから「歳をとるほど負け」という

概念が植え付けられるんでしょうか。

女性として生きていても同じことでした。

「若いっていいね」「若い時だけよ」

そう言われるたびに、息苦しかった。

産んでもらって、育ててもらって

大好きな人達に出会えて

色んな日々を重ねて、今日よりもっと

素敵な明日になることを信じていたいのに、

若さを羨むその言葉は、子供の私にとって

未来への絶望を植え付ける呪いのようだと

思っていました。

特に女性は「老い」に対して

とても敏感で恐怖に似た感情を抱いている人も

少なくないのではないでしょうか?

かつて寿命が短かった時代は

その終わりの時は

女性ホルモンの終わりと同時期に訪れました。

それが医療の発達で寿命だけが一歳、また一歳と

延びていき、命の終わりよりずっと前に

女性ホルモンは終わりを迎えることになりました。

女性ホルモンは女性らしさをつくる源です。

しかしそのホルモンは閉経とともに失われ

その後、約40年近い時間を女性ホルモンなしで

生きなければならなくなりました。

女性ホルモンを失うと

髪のツヤや肌のハリを保つことが

難しくなり、筋肉や骨は衰えて

目はくぼみ、胸は垂れ、身体には

しわやシミが増えていきます。 

「かわいいね」「きれいだね」「若いね」

そう言われていた頃には、戻れません。

私自身このことを

「悲しい」「悔しい」と感じ

どうにか若さを保ちたいと考え

生きていました。そして若さを保つための

方法を色々調べながら生きているうちに

少しずつ疑問を感じ始めたのです。

「あれ?ところで私は老いることが

なんで悲しいんだろう?

なにが悔しいんだろう?」と。

いつの間にかいろんな情報や人の言葉で

刷り込まれて自分の考えだと思っていただけで、

歳を重ねることを本当につらいと思うのか、

歳を重ねた人を「かわいそう」と

思っているのか考えたことはありませんでした。

改めてそう考えた時に私は

そんなことはないだろう。と思いました。

だって「若い頃には戻れない」ことは

「魔法を使えない」と気づいた頃から知っている

当たり前のことだから。

むしろ、命が突然、理不尽に奪われることなく

与えられた命の分、一つ一つシワが

増えていくことは、本当はとても幸せなはずなんです。

でも

当たり前にできてたことができなくなるという

「老い」がいつか来ることと向き合わず

生き続けてしまう。ずっと走り続けられると

信じてしまう。すると

「当たり前」がいつしか「予想外」となり、

歳を重ねた身体の変化を受け止めることが

できなくなるのではないでしょうか。

私たちはゆっくり衰え、必ず死にます。

それが自分の命を全うすること。

誰でも知ってることだけど

知っていることと受け止めることは

違うことなんですよね。

それを認めることに、

自分を見つめる時間と、少しの

勇気がいるんだと思います。

ですが、その事実に目を背け続けて

「自由をうばわれた」「若さを失った」と

思って生きていくことは、きっと

とてもしんどいのではないでしょうか。

忘れがちですが私は、

「お誕生日おめでとう」は

「生きていてくれてありがとう」

という想いが込もった言葉だと

思っています。

普段なかなか会わない友人に

「お誕生日おめでとう」と言いたくなるのは

会えなくても、ただ生きていてくれて、

また会える存在で居てくれることが

嬉しいから。心強いから。

あなたを産んで育てた人達、友達、先生、

同級生、今日仕事で関わった人、

尊敬する上司、あなたを頼る後輩、

あなたが応援する俳優やアーティスト、

今日話した配達員さん、SNSの知り合い、

あなたの買ったものや食べたものの

先に繋がる全ての人たち。

あなたが今日、生きていることが

そんな誰かにとっての力で、やり甲斐で、

安心なんです。

周りの声や、SNS上の価値観は変わるし

廃れていくものです。なのに、

気持ちが落ち込んでいると

引き込まれていってしまう沼のようなもので、

私は何度ハマったかわかりません。

あなたは、絶対に誰にも代えられない

尊くて、大切な人です。

歳を重ねた数だけ、辛いことも

嬉しいことも経験して生きてきたあなたは

あなたにしかない価値があり

あなた自身が誰かの生活の一部で

大切な人です。

でも、そう言って認めて、励まして、

抱きしめてくれる人が、辛い時に

いつも居るとは限らないから

自分で自分を愛して抱きしめる癖を

つけていきたいですね。

「若いころは可愛かったのにね!」

「若い子に負けるなよ」

「もう女に見れないね」

無意識に人を傷つける刃は

笑顔で向けられる。

きっとそんな人は実は

無神経に足が生えた妖怪か

人のことを言うくらいだから

自分も歳をとらないおばけか

悪意を人に向けて自尊心を保つ

心がこびと族

そんな人ならざる者なんでしょう。

災難にあったと思って笑顔で

おさらばするか、忘れましょう。

いつか

女性という服、若さという服を

脱ぐときがきたとしても、

私は「私」いう人間の一張羅を着て

笑って生きていくこと。

それが私の今の目標です。

若さも、女性ホルモンも、

いつか去ってしまうけれど、それを

「知ってたよ。今までありがとね。」

と、そんな風に受け止めて手放す

心根のカッコいい人になりたいんです。

そして、そんな女性たちが増えてほしいと

勝手に願っています。(同志募集!笑)

「老いたくない」より「どう老いるか」

考える。

そのために私はこのブログで

「女性が明日をより良く楽しく生きていくために」

をテーマに色んな情報を発信していきます。

一歩一歩私なりに

誠実に人と関わって、大切にして

どう生きるかを悩んで、決めて、動いて

他人の嘲笑を聞いてる暇がないくらい

楽しんで生きていきたいと思っています。

長くなりましたが、ここまでです。

今日、私の記事を読んでくれた皆さんも

今日私が生きる力であり、理由です。

読んでくれて、関わってくれて、

生きていてくれて、本当にありがとうございます。

理学療法士ケイシーより

愛をこめて

理学療法士、骨盤底筋指導士、マタニティヨガインストラクター

病院で理学療法士をしているケイシーです。【理学療法士とは】Physical Therapist(PT)ともよばれます。主に体に障害を負った人をリハビリし日常に送り出したり、運動の指導、体のメンテナンスなどをする仕事です。ケイシーは現在、【妊娠中や産後の女性の体のケア】と【入院中の患者様のリハビリ】【予防医学】を専門としています。ここでは、病院で働いてるからこそ話せる小話や、心と体を健やかに保つことの大切さ、日常生活に役に立つ医学情報などについてなどざっくばらんにお話ししていきます。

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