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有名人の妊娠・出産報告から産婦人科医が伝えたいこと(1)  #専門家のまとめ

重見大介産婦人科専門医 / 公衆衛生学修士 / 医学博士
(写真:イメージマート)

春から夏にかけて、多くの有名人の妊娠や出産の報告がニュースになっています。個々人の「推し」はそれぞれでしょうが、今回は産婦人科医の目線で、「有名人の妊娠・出産報告を通じてぜひ知っておいてほしいこと」をまとめてみました。

ココがポイント

▼数年間をあけて第2子を出産する際の不安や戸惑いについて素直な声が綴られています

・出産環境の変化、あなたはどう思う?安めぐみ「9年前は産後ケアという言葉も知らなかった」(Yahoo!ニュース Voice)

▼出産というのは何があるのかわからないため、報告は出産が終わり生活が安定してからにしたとのことです

ヒカキン、第1子誕生を報告「パパになりました」 出産に立ち会い女児の姿に涙「よく頑張ったね」(ORICON NEWS)

▼3600g超えの大きな児を母子ともに無事に出産したとの報告です

・橋本マナミ、第2子出産を報告「3600g超えの大きな女の子」 助産師から掛けられた言葉明かす(日テレNEWS NNN)

エキスパートの補足・見解

一つ目の記事に関して、ここ10-15年ほどで出産・育児の環境はだいぶ変化しており、例えば、オンラインでの相談サービスが普及しつつあったり、産後ケアが使いやすくなってきたりしています。安さんの「年齢を重ねたら重ねたなりのやり方がある」という言葉は、産婦人科医としても非常に頷けるでした。

二つ目の記事に関して、たとえ妊娠中に低リスクだと判断されていても、経過が順調でも、出産には予期せぬ出来事が誰にでも起こり得ます。また、たとえ順調に出産を迎えても、女性側へかかる心身の負担は非常に大きなものになります。男性パートナーとして、こうした妊娠中〜産後にかけての情報収集やパートナーへの配慮は、とても重要なことと言えます。

三つ目の記事に関して、4000g以上になると「巨大児」という扱いとなり、出産時のトラブル(分娩時間の遷延や、肩が出口で引っかかってしまうなど)が増えやすいことがわかっています。担当の産婦人科医としっかり相談しながら、出産を迎えていただきたいと思います。

産婦人科専門医 / 公衆衛生学修士 / 医学博士

「産婦人科 x 公衆衛生」をテーマに、女性の身体的・精神的・社会的な健康を支援し、課題を解決する活動を主軸にしている。現在は診療と並行して、遠隔健康医療相談事業(株式会社Kids Public「産婦人科オンライン」代表)、臨床疫学研究(ヘルスケア関連のビッグデータを扱うなど)に従事している。また、企業向けの子宮頸がんに関する講演会や、学生向けの女性の健康に関する講演会を通じて、「包括的性教育」の適切な普及を目指した活動も積極的に行っている。※記事は個人としての発信であり、いかなる組織の意見も代表するものではありません。

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