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GW10連休!はじめての海外SIM。失敗しない5つのポイント。

鴻池賢三オーディオ・ビジュアル&家電評論家
海外旅行にスマホは必須!(ペイレスイメージズ/アフロ)
海外プリペイドSIMの例(筆者撮影)
海外プリペイドSIMの例(筆者撮影)

今年はゴールデンウィークが10連休で海外旅行予約が殺到しているとか。また、この時期は、卒業旅行や短期留学などで海外に出かける準備をしている学生さんも多いことでしょう。

今や海外渡航で真っ先に準備すべきは、スマホのネット接続確保。

考えられる方法は主に3つで、1)日本で契約している携帯電話会社(キャリア)の海外ローミングサービスを利用する、2)レンタルWiFi(モバイルルーター)を借りる、3)海外プリペイドSIM(現地で利用できる料金先払い方式のSIM)の利用、などの方法が考えられます。

どの方法も一長一短がありますが、費用面で手軽かつ追加費用の発生も無く安心なのは「海外SIM」で、利用者は増えているようです。

そこで今回は、初めて「海外SIM」を使いたい!、という方に向け、ありがちな失敗例や予防策を交え、「5つのポイント」としてご紹介します。

準備万端で安心!楽しいご旅行を!

1. そもそも、手持ちのスマホは渡航先の電波に対応している?

携帯電話は国によって使用する電話の周波数帯域や方式に違いがあります。

教科書的ですが、手持ちのスマホが渡航先で利用できるかどうかの確認は、基本事項と言えます。

少し話が複雑に感じるかもしれませんが、例えばiPhoneやハイエンド(高級)と呼ばれるスマホは、カメラ機能などが充実しているだけでなく、この「電波」についても多くの地域に対応している傾向があります。

出来る限り確認をお勧めしますが、実際のところ、渡航先として人気の台湾、香港、韓国、アメリカ、ヨーロッパの主要各国で比較的新しいスマホを使用する場合、それほど心配ありません。

スマホの通信方式確認例)iPhone各モデルの情報:

Apple公式ページ(iPhone のモデルを識別する)→各モデルの「技術仕様」→「携帯電話/ワイヤレス通信方式」の欄に記載

2. 旅行が決まったら「SIMロック解除」を確認

日本でスマホを購入する場合、携帯電話会社(キャリア)との契約で、本体代金を月賦で支払うケースでは、原則「SIMロック」が働き、契約したキャリア以外のSIMカードは使用できません。海外SIMにも当てはまり、利用できるようにするには、キャリアが指定する条件(購入から101日目以降など)を満たし、所定の「SIMロック解除」手続きを行う必要があります。ほか、2015年4月以前に発売された製品(iPhoneの場合iPhone6以前のモデル)は、SIMロック解除ができないといった制約もあります。

「SIMロック解除」は難しい作業ではありませんが、早めの確認と手続きが安心です。

(SIMロックの状態や解除方法の確認は、キャリアにお問い合わせください)

なお、「SIMフリー」のスマホを購入している場合は、この「SIMロック」の心配は不要です。

3. 日本でSIMカードを調達

現地で利用できるプリペイドSIMカードは、日本に居ながらネット通販などで購入可能です。現地の空港などでも購入しやすくなっていますが、初めて海外SIMを利用する、あるいは団体行動などで動きづらそうな場合は、予め日本で入手しておき、持参するのが安心でしょう。

SIMカードの選定にあたっては、目的の国で使えるかの確認が大前提ですが、サービス提供事業者、日本での販売業者、利用できる日数やデータ量(ギガ)、音声通話の可否で料金が異なります。費用節約のためにも、必要最小限のモノを吟味しましょう。

因みに、携帯電話番号を用いた音声通話ができないデータ専用の「データSIM」は比較的安価です。(データSIMでも、LINEなどのアプリを用いた音声通話はデータ通信扱いなので原則利用可能です)

4. 現地に着いたらSIM交換。「ピン」を忘れずに!

「ピン」の例(筆者撮影)
「ピン」の例(筆者撮影)

SIMカードを交換するには、多くのスマホで「ピン」が必要です。自宅ならゼムクリップなど代用品も見つかりますが、到着したばかりの空港ではそうはいきません。

今や空港では無料WiFiが当たり前ですが、せっかく準備したSIMカードを活用するためにも、ピンの準備はお忘れなく。

5. 取り出した元のSIMは大切に!

日本のSIMカードは紛失しないよう注意!(筆者撮影)
日本のSIMカードは紛失しないよう注意!(筆者撮影)

製品にもよりますが、SIMカードスロットが一つの場合、元のSIMカード(日本のSIM)を取り出して海外SIMを挿入することになります。

現在主流のnanoSIMは12.3mmx8.8mmと指先よりも小さく、紛失しやすいので注意が必要。日本のSIMを紛失したり破損すると、日本で通信ができなくなってしまい、再発行に時間と費用も掛かるので、くれぐれもご用心を。

安心のためにも、取り出したSIMカードを収納するためのケースを用意しておくと良いでしょう。

また、交換の際は、紛失の可能性が低い安定した場所で、落ち着いて作業しましょう。例えば、狭い機内で慌てて作業し、手元が狂って落としてしまうと、見つからないかもしれません。

さいごに

海外でスマホが使えると、SNSの投稿だけでなく、電車やバスの乗り換えが簡単に調べられたり、地図アプリを使えば知らない街もスイスイ歩けるなど、行動範囲を広げてくれます。

グループ旅行なら、みんなでモバイルルーターをレンタルしてシェアするのも一案ですが、各自がSIMを利用すれば、一時解散や集合も日本にいるときと同じ感覚でできて便利です。

海外SIMを活用して、楽しいご旅行を!

オーディオ・ビジュアル&家電評論家

AV機器メーカーで商品企画職を務めた後、米シリコンバレーのマルチメディア向け半導体ベンチャー企業を経て独立。オーディオ・ビジュアル評論家として専門誌などで執筆活動を行うほか、エレクトロニクス 技術トレンドに精通し生活家電を含むホームエレクトロニクス、ネットワーク家電、スマート家電の評価、製品の選び方、賢い使い方、および未来予想をメディアを通じて発信中。NHKほかテレビ出演も多数。ビジュアルグランプリ(VGP)審査副委員長/米ISF認証ビデオエンジニア/米THX認証ホームシアターデザイナー/一般財団法人家電製品協会認定家電製品総合アドバイザー/甲種防火管理者

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