国交省「運転中のスマホ禁止」の徹底、バスやタクシー業界団体へ通知「道路交通法で禁止の危険な行為」
国土交通省は2016年11月7日、大阪府門真市において、貸切バスの運転者が運転中にスマホを用いてゲームアプリを操作するという事案が発生したことから、業務中の携帯電話・スマホの使用禁止の徹底について関係団体あてに通知した。
相次ぐ「運転中スマホ」
国交省は通知に際して、両備バスの運転手が運転中に「ポケモンGO」をしていたことが発覚したこと、2016年10月には愛知県で「ポケモンGO」をしながら運転していた自家用トラックに小学生がはねられて死亡する事故が起きたことを引き合いに出した。そして「いうまでもなく、運転中にスマートフォンなどの画像を注視する行為や携帯電話で通話する行為は、道路交通法で禁止されている極めて危険な行為」と指摘した。
また「今年1月に発生した軽井沢スキーバス事故を受け、貸切バスの信頼を回復するための様々な取り組みを行っている最中に、事業用自動車の運転者が、このような安全を軽視する行為を行ったことは極めて遺憾」と見解を示し、乗務中のスマホ操作や通話の禁止の徹底と、再発防止のための対策の検討・報告を求めた。
愛知県警は「ポケモンGO」運営会社に要請
愛知県警は運転中の「ポケモンGO」による交通事故で小学生が死亡した事故を受けて、運転中にゲームができなくすることを求める要望書をゲーム運営会社に送っている。下記に朝日新聞の記事を引用しておく。
「道路交通法で禁止されている極めて危険な行為」
たとえ運営会社によって「ポケモンGO」が運転中には捜査できなくなったとしても、運転中にスマホをチェックするのは「ポケモンGO」だけではない。他のゲームや、LINE、Facebook、Twitter、ニュース、動画など他にもスマホで気になることがたくさんある。「ポケモンGO」が運転中にできなくなれば、それなりに効果はあるだろうが、それだけでは「運転中スマホ」の全てを撲滅できるわけではないだろう。
国交省は今回、バスやタクシー、トラックなどの業界団体に、各社のドライバーに対して「運転中のスマホ禁止」を徹底するように通達を出した。「見つからなければいい」、「周囲に人や車がいないからスマホを見てもいい」ということではない。国交省が指摘しているように「道路交通法で禁止されている極めて危険な行為」なのだ。それは運転手という仕事で乗務している人だけでなく、自動車を運転する全ての人にあてはまる。
今回の国土交通省の通知の宛先は、以下の通り。
・公益社団法人日本バス協会
・一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会
・一般社団法人全国個人タクシー協会
・一般財団法人全国福祉輸送サービス協会
・公益社団法人全日本トラック協会
・一般社団法人全国霊柩自動車協会
・各地方運輸局自動車技術安全部
・(関東・近畿除く)各地方運輸局自動車交通部
・関東・近畿運輸局自動車監査指導部
・沖縄総合事務局運輸部