年末年始にむけて、ふるさと納税詐欺には要警戒 どのような手口なのか?
年末にむけて、ふるさと納税サイトへの申し込みは増える傾向といわれています。
そうしたなかで、詐欺被害への懸念が高まっています。
不正注文検知サービス(「O-PLUX」)にて不正利用対策を行っている、かっこ株式会社の担当者によると「当社の調べでは、今年の4月から6月の他人のクレジットカードを不正使用して被害に遭った商品の上位は、1位『ホビー・ゲーム』2位『デジタルコンテンツ』3位『チケット』でした。次の7月から9月のデータでは、この上位の商品は変わりありませんが、これまでランキングに入ってなかった『ふるさと納税』も入り始めてきましたので、注意が必要です」と話します。
ふるさと納税詐欺の手口とは?
ふるさと納税詐欺はどのような手口なのでしょうか。
それは、不正者がふるさと納税サイトに申し込みをする際、他人のクレジットカード情報で決済をして、自治体から送られてきた返礼品をだまし取るというものです。詐取された商品は転売されている可能性が高いということです。
「返礼品のなかでも、家電製品が増えてきているという報告が入ってきています。また、不正者は返礼品を転売する目的があるので、その他にも賞味期限のある食品よりも、転売価値のあるワインやウイスキーなどアルコール類、今後は、コロナもあけて旅行者も増えているので、チケットにも気をつける必要があります」(同社担当者)
今回のふるさと納税詐欺では、自治体が被害に遭いますが、巡り巡って、私たち住民の税金が詐取されることにつながりますので、決して許してはいけない行為です。
不正を見抜くポイント
不正な申し込みを見抜く点として同社の担当者は「これまでに発生した様々な不正の傾向を機械学習し、類似する傾向を不正として検知します。例えば、過去に不正な申し込みで同じ住所に複数回の商品が送られてきていることや、IPアドレスなどのデバイス情報は中国なのに、日本の住所を書いているケース、日本人以外が詐欺を行っている場合、注文者の漢字と名前のフリガナが一致していないこと」をあげます。
同社はこうした不正の疑いを検知した場合、提携しているふるさと納税ポータルサイトに情報提供して、自治体にも伝えられるということです。
おそらく、その後の不正対策は各市区町村によって違っていると思いますが、くれぐれも性善説での対応はせず、必ず悪意ある者が入り込む意識での対応が必要です。
その点、同社の担当者も危惧します。
「自治体のなかには、返礼品を詐取する手口があること自体を知らないところもあると思います。そうなると、対策をしていない自治体には、不正な申し込みが次々に行われて、たくさんの商品を詐取されてしまうことにもなりかねません」
詐欺を行う者はセキュリティ意識の甘いところを狙い「ここなら、うまくいく」と思えば、その手口を一気に広げていく傾向があります。いかに、多くの自治体に警戒心をもってもらい、不正申し込みを排除できる対策を施せるかが、詐欺防止の鍵となります。
消費者の側の注意点
消費者の側としての対策としては、やはりクレジットカードの利用明細書をしっかりとみて、申し込んだ覚えのない、ふるさと納税サイトなどからの請求があった場合、すぐにカード会社に連絡することです。いち早い発見が、ふるさと納税詐欺を防ぐことにつながります。
何より今は国税庁、水道局、電力会社、銀行などをかたった様々な偽メールが送られてきています。そこから誘導されて、偽サイトにクレジットカード情報などを入力して盗まれないことも、大事になります。
SNSのふるさと納税の偽アカウントにも注意
今月、インスタグラムにふるさと納税を装った鹿児島県肝付町の偽のアカウントが確認されたそうです。
肝付町 ふるさと納税装った偽アカウント確認 注意を(NHK鹿児島・12月15日)
このアカウントをフォローすると、「プレゼントに当選した」というメッセージが送られてきて、偽サイトに誘導されるとのことで、個人情報やクレジットカード情報を盗まれる恐れがあります。その情報をもとに、ふるさと納税サイトに不正申し込みがなされることも考えられますので、注意が必要です。
ふるさと納税は、自分が応援したいと思う自治体を選んで寄付できる制度ですが、それを悪用する手口には、充分に警戒してください。