Yahoo!ニュース

NY金18日:米指標改善で反落も、FOMC議事録前で小動き

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金8月限 前日比1.50ドル安

始値 1,116.70ドル

高値 1,120.20ドル

安値 1,108.40ドル

終値 1,116.60ドル

良好な米指標が上値を圧迫し、小反落した。

アジアタイムは中国株の急落などを受けて、総じて底固く推移した。中国政府の株価対策が後退するとの見方から、改めて中国発のリスクオフの動きが警戒された結果である。ただ、ニューヨークタイムに入ると7月の米住宅着工件数が市場予測118.0万件を上回る120.6万件に達したことが嫌気され、ドル高連動でマイナスサイドに沈んでいる。前日は8月ニューヨーク連銀製造業指数が市場予測を下回ったことが金相場をサポートしたが、本日は良好な米指標が金相場の上値を圧迫した形になっている。

なお中国発のリスクオフの動きが警戒されているが、米指標から改めて利上げまでの距離感を探りたいと考えている向きが多いことが窺える。明日は7月消費者物価指数(CPI)の発表が控えているため、これでインフレ環境が利上げ着手を容認しているのかが打診される。そして、7月28~29日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表も予定されており、ここで再び利上げ期待を高めていくことができれば、ドル相場の底堅さ、金相場の上値の重さが再確認されよう。引き続き中国リスクの暴走に注意が必要だが、リスクマーケットが一定の冷静さを取り戻す中、米指標を手掛かりに戻り売り優勢の地合に回帰する過程と評価している。

画像
マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

小菅努の最近の記事