【富士宮市】炭焼き炭次郎じゃなくて 藤次郎?! 昔話に魅せられて、天子ヶ岳のヨウラクツツジを探しに!
みやしんに置いてある富士宮の昔話が綴られた本を待ち時間にぺらぺらとめくっていると、目を引く題名が!!
その名も『炭焼き藤次郎』!鬼退治の話かと話を読んでみると、
~昔都に美しいお姫様がいました。お姫様は病気でしたが、ある老人に「富士山の麓の煙が上がっているところへ行くと姫の病気が治る」と言われて、お姫様は富士山の麓の煙が上がっているところを探しますが見つかりません。疲れと不安でお姫様は倒れてしまいます。
しばらくして目を覚ますと、炭焼き小屋で藤次郎が看病をしてくれていました。実は藤次郎の夢枕に老人が立ち、お姫様が来るからお世話をするようにと言われたのです。
お姫様は藤次郎にそばにおいてくださいと頼みます。こんな貧しい炭焼き小屋ではいい暮らしはできませんと藤次郎は一度断りますが、お姫様の決心は変わりません。
前にも増して藤次郎はせっせと働き二人は幸せに暮らしました。が、長い年月の末お姫様は病気になり「私が死んだら私と冠を都の見える高い山に埋めてください」と頼み、この世を去りました。藤次郎はお姫様の遺言通りにお姫様と冠を天子ヶ岳に手厚く葬りました。それからしばらくすると天子ヶ岳の頂上に瓔珞を思わせる綺麗なヨウラクツツジが咲くようになったという事です。~
こんなお話でした(かなり要約しています!)…瓔珞とは冠の事らしく、『お姫様の冠を思わせるツツジ』が気になり、調べてみると、スズランのような愛らしい花なんですね。
しかも開花時期は5月から7月とのことで、今見に行けばちょうどいいタイミングではないですか!
早速ヨウラクツツジを見に出かける事にしました。
田貫湖富士休暇村の駐車場裏に登山口があり、北側は長者ヶ岳、南側は天子ヶ岳の入口になっています。体力に自信がない私は長者ヶ岳経由で天子ヶ岳へ登る事にしました。
途中不思議な生き物と遭遇しました。田貫湖だけにタヌキかと思いきや、日本アナグマのようです。こうした自然の動物に出会えるのも、山登りの良いところです。
長者ヶ岳山頂には看板と、田貫神社がありました。神社と言っても信楽焼のたぬきが切株の上に置かれているだけです。そしてお賽銭箱はなんとタッパーです(笑)
ちょっと霧がかかって霞んでしまっていましたが、富士山が見えたので撮影しました。
長者ヶ岳からは「天子ヶ岳」と「毛無山方面」へと分岐していますが、ヨウラクツツジを求め、天子ヶ岳方面へ進みます。長者ヶ岳と天子ヶ岳の標高差は5m程しかありませんが、下ってから登り返すアップダウンがあります。
歩いて行くとヨウラクツツジが見えて来ました。思っていた木よりかなり大きめです。
ヨウラクツツジの前には看板があり、私が読んだ昔話の内容がかなり要約されて書かれていました。
5月から7月が開花時期との情報を基に来たのですが…残念ながらほぼ枯れていました。
諦めが付かずに木を見上げながら周りを一周すると、まだ咲いている一枝が!
落胆した私を慰めるように咲くその一枝の純白の凛とした花は、時を経てお姫様の優しさを私に伝えてくれたかのようでした。
*調べたところ、市のHPでは5月中旬が今年の開花予定だったようです。気温により開花時期がかなり変わるようです。
長者ヶ岳:休暇村富士駐車場奥のT字路を北へ
天子ヶ岳:休暇村富士駐車場奥のT字路を南へ
*合わせて登る場合は、長者ヶ岳経由で天子ヶ岳に登った方が初心者には登りやすいそうです。