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スリランカ観光業界、コロナ禍を乗り越え目標達成へ急浮上

にしゃんた社会学者・タレント・ダイバーシティスピーカー(多様性語り部)
スリランカのゴールフェース。ここから見る日の入りが美しい(にしゃんた)(写真:イメージマート)

スリランカ観光開発局の暫定データによると、3月に世界中から島国を訪れた観光客は125,495人で、新型コロナウイルスの流行以降、最も多い海外旅行者数となった。観光客数は、前月と比較すると16%増加し、前年同月と比較すると17.8%増加した。1月1日から3月31日までの累計到着者数は335,679 人となり、コロナウイルスの流行以来、3ヶ月連続で10万人を超えました。3月の1日平均入国者数は4,048人で、1月の3,307人、2月の3,844人を上回りました。

 ロシア連邦は依然としてスリランカ最大の観光客送り出し国であり、3月の総到着者数の20%を占め、2位はインドで15%、3位は英国で9%となっています。その他の注目すべき国には、ドイツ、フランス、米国が含まれます。コロナウイルスの流行以前は観光客送り出し国のトップ3の一つであった中国は、現在では10位まで順位を下げています。

 スリランカは今年、観光客の到着目標を200万人に修正する計画で、3月時点ですでにその16%が実現されています。これまでスリランカ政府観光局および関連機関は、2023年末までの観光客の目標を150万人と設定していたが、業界の業績が予想以上に好調であることから、先週、目標の上方修正を決定しました。修正後の目標を達成するために、スリランカは今後9ヶ月以内に少なくとも1ヶ月あたり184,927人の海外旅行者を誘致する必要があります。

スリランカを訪れる観光客の大半は必ず訪れるシーギリヤロック。東洋のマチュピチュと言われることも(にしゃんた)
スリランカを訪れる観光客の大半は必ず訪れるシーギリヤロック。東洋のマチュピチュと言われることも(にしゃんた)写真:アフロ

 スリランカは、面積としては北海道よりも小規模な国でありながら、8つの世界遺産を含む豊かな歴史、唯一無二の自然、多様な文化や美しいビーチを有する世界有数の観光地となっています。

 世界的なランキング機関であるトラベル・アンド・レジャー社が発表した「ワールド・ベスト・アワード2021」において、スリランカはアジアで3位、世界で25位に選ばれています。

 

 また、ロンリープラネット社の「ベスト・イン・トラベル2020」でも、スリランカはトップ10のデスティネーションに選ばれています。

 さらに、トリップアドバイザーが発表した「トラベラーズチョイスアワード2020」のベストデスティネーション部門において、スリランカはアジアで3位、世界で12位に選ばれました。

 最新のものでは、フォーブス誌が一流の女性旅行専門家やインフルエンサーが選ぶ、2023年に旅行するのに最適な海外旅行先情報をもとに、スリランカを「2023年に世界を旅するベストプレイストゥ・トラベル」にランクインさせました。

 観光業はスリランカ経済にとって担っている役割が実に大きい。観光業は、国のGDPの約1割を占め、政府は以前よりその割合をさらに増やすことを目標としていました。しかし、コロナウイルスの流行によってスリランカの観光産業は深刻な影響を受け、国全体にとっての大打撃となりました。その点、これからの観光業の再活性化は、政府にとってはもちろん、観光業に直接的、間接的に関わる者に限らず一般の国民にとっての切実な願いとなっています。

 スリランカが国家破産を発表してからまもなく一年が経とうとしています。最悪の状況を脱したというものの、未だに輸入のための外貨不足に伴う国内の物不足、高インフレや高い失業率などが続いています。そのため、人々の生活はまだ苦しい状況にあり、各業界の組合などによるストライキが続くなど国の政治経済の情勢が不安定のままであります。

 スリランカの観光産業が今のように順調に成長させることに成功すれば、国の安定的な繁栄の大きなエネルギーになることは言うまでもない。

アーユルヴェーダや癒しを求めて訪れる観光客も多い(にしゃんた)
アーユルヴェーダや癒しを求めて訪れる観光客も多い(にしゃんた)写真:アフロ

社会学者・タレント・ダイバーシティスピーカー(多様性語り部)

羽衣国際大学 教授。博士(経済学)イギリス連邦の自治領セイロン生まれ。高校生の時に渡日、日本国籍を取得。スリランカ人、教授、タレント、随筆家、落語家、空手家、講演家、経営者、子育て父などの顔をもっており、多方面で活動中。「ミスターダイバーシティ」と言われることも。現在は主に、大学教授傍ら、メディア出演や講演活動を行う。テレビ•ラジオは情報番組のコメンテーターからバラエティまで幅広く、講演家として全国各地で「違いを楽しみ、力に変える」(多様性と包摂)をテーマとする ダイバーシティ スピーカー (多様性の語り部)として活躍。ボランティアで献血推進活動に積極的である。

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