回転寿司のサイドメニューは平均1.7皿、一番人気は意外にも…
一度の食事でサイドメニューは2皿足らず
ここ数年の間に生じた回転寿司界隈で大きな変化の一つが、サイドメニューの充実。寿司メインのこだわりから「寿司も食べられるファミレス的な外食店でもいいではないか」との割り切りを持ったのか、大規模な方針転換を各チェーン店とも実施。今ではサイドメニューだけでも立派に食事を完結できるほどの充実ぶりである。今回はマルハニチロが2016年3月に発表した回転寿司に関する消費者実態調査「回転寿司に関する消費者実態調査2016」(2016年2月25日から3月8日にかけて、関東・関西在住の15歳から50代の男女に対しインターネット経由で実施。本調査では月1回以上で回転寿司店を利用している人1000人を対象。男女比・地域比率はそれぞれ1対1)の結果から、回転寿司店におけるサイドメニューの利用状況を確認していく。
今調査対象母集団(月一以上で回転寿司を利用する人)においては、一度の利用で食する寿司の皿数は大よそ10皿。これにはサイドメニューは含まれていない。
それではサイドメニュー、例えばみそ汁や茶わん蒸し、各種デザートなどは何皿選択されているのだろうか。平均では1.7皿で、男性よりも女性の方がわずかながら多い結果となった。
ボリュームゾーンが1皿から2皿なのは男女共通。しかし男性はゼロ皿が15.2%もいるのに対して女性は6.8%。ボリュームゾーンのうち2皿の項目でも女性は男性と比べて8.8%ポイント高い。寿司そのものは男女間で2.9皿の差が生じていることを合わせ考えると、回転寿司の利用では男性より女性の方がサイドメニューのウェイトが高いことが分かる。
サイドメニューの一番人気は
それでは実際に、どのようなサイドメニューが好かれているのか。男女別で大きな差異が生じそうだが、残念ながらその値の公開は無い。全体像としては茶碗蒸しがトップで、次いでみそ汁・赤だしが続く。
寿司がご飯系の食事であることから、それに良く合うメニューとしてみそ汁などが選択されるのは理解できるが、それよりも上位に茶碗蒸しがついているのは意外。あるいは茶碗蒸しは美味しく作るのが難しく、また他の外食でも食する機会があまり得られないことから、気軽に足を運べる回転寿司が、良い機会として認識されているのだろう。
次いで多くの支持を集めているのはうどん。主食としては一番人気。次いでラーメンが続く。飲み会などにおける「しめ」的な意味合いでラーメンが食されることは多いが、それに近いポジションなのだろうか。他方、おかずとしてのサイドメニューでは、茶わん蒸しを除けばポテトフライが最上位で、次いで天ぷら、鶏から、軟骨の唐揚など、揚げ物が続く。
話題に登ることが多いスイーツ群では、ケーキが第4位でトップ。回転寿司では古くからゼリーやプリン、アイスクリームなどが導入されていたが、それらは上位陣には見受けられない。次いで和菓子が入っているが回答率は6.3%。メニューとして用意している店舗がまだ絶対多数では無いのも一因だが、回転寿司におけるスイーツ群は、あまり高い評価を受けていないようだ。
回答者の年齢階層別に区分けし、上位陣を列挙すると次の通り。
10代はケーキ、ラーメン、ポテトフライとファストフード系、スイーツが上位に来る。ところが20代以降は概して茶碗蒸しとみそ汁・赤だしが上位を独占し、ケーキは30代の第3位に収まるのみ。寿司と相性が良いからなのか、元々茶碗蒸しとみそ汁・赤だしの人気が高いがための高値なのか。今調査の結果からだけでは判断は不可能だが、興味深い話に違いない。
※2016/04/20 15:17 追記
茶碗蒸しの考察に関して「子供連れは子供向けに茶碗蒸しを注文するのでは無いか、だから人気なのでは」との意見が寄せられました。設問では「回転寿司店のサイドメニュー・一品料理の中で好きなメニュー」とあり、回答者自身の好みを尋ねているため、回答者の子供の好き嫌いは関係ないと判断できます。ただし、子供が好むため共に頼むケースもありうるため、影響は皆無とは言い難いとしておきます。
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