WhatsAppの米国でのシェアはたったの9% 塗り変わるソーシャル世界地図
【追記】2014年10月7日(火)7時50分
株価が反映しているから買収金額ベースが上昇という理由。
現金での買収は、現金45億9,000万ドル(4,590億円)と、facebook株1億7,800万株という組み合わせ。
本日のfacebookは… 77.56ドル
つまり、138億ドル(1兆3,800億円)分のバリューとなったわけだ!
【/追記】2014年10月7日(火)7時56分
facebookが4億5,000万人の月間アクティブユーザーを抱えるWhatsAppの190億ドル(1兆9,000億円)に及ぶ買収のニュースはIT業界、いやSNSの最高潮の盛り上がりにふさわしい買収といえるだろう。
WhatsAppは70%が毎日使っているといわれるので、3億1500万人が毎日使っているとも言い換えることができる。しかしだ…。重要なポイントをどの記事もジャンプしてしまっているようだ。
メッセージアプリは、何億人の人が使っているのではなく、どこの国の人がWhatsAppを使っているかのほうが重要だ。
なんと、WhatsAppの米国ユーザーのシェアは9%だというデータがある。4.5億人のWhatsAppユーザーの91%は米国以外であるという異例の買収なのである。
米国ユーザーは、3.1億人中の、4,050万人(13%)ということだ。
http://getnews.jp/archives/496824
このグラフを見るといかに、ヨーロッパや南米でメッセージアプリが普及しているかがよくわかる。
米国でのWhatsAppのシェアは9%、スペイン99%、香港・アルゼンチン・ベネエズラは96% メキシコ94% イタリア93%と続く…。新興国ほどメッセージアプリは強いのだ。これは各国の携帯電話の通信キャリアのSMSの料金設定に色濃く関係している。ブロードバンドでなくても、リアルタイム同期でコミュニケーションできるからだ。
メッセージアプリの世界で見ると、ヨーロッパや南米では完全にfacebookは負け組なのである。
http://www.iphoneincanada.ca/news/whatsapp-is-now-the-biggest-messaging-app-on-iphones/
全世界的に見ても、アクティブユーザーでは、SocialNetworkにメッセージアプリやチャットアプリが割り込んで来ている状況になりつつある。
LINEも2014年2月6日で世界で3.5億人を突破し、年内には5億人規模にあるという。
そして、LINEが年内5億人規模になるためには、北米市場が今年のキーとなることは確実だ。LINEのキラーはスタンプ。企業スタンプのビジネスモデルは立証済み。そして今後個人のスタンプ販売が北米市場でどう評価されるかがIPOも含めて大きな目玉となることだろう。
WhatsAppが9%しか市場を持っていない今は、LINEにとっては好都合なマーケットだ。しかも機能は数段優っている。北米の友達をどうLINEに登録させるかの腕のみせどころだろう。そのためには、米国のハリウッドテレビを含めてのコンテンツのスタンプ化のライセンス契約にかかっていると思われる。
http://wearesocial.sg/blog/2014/01/social-digital-mobile-2014/
メッセージ系アプリだけでもおびただしい数がある。すべてインストールしてテストしてみているが、一長一短で実はあまり代わり映えがしないのだ(笑)。
どの機能がいいのではなく、友達がたくさん使っているアプリが使いやすくて、面白いのである。ソーシャルメディアが普及する要因は、すでにログインした時点で知人がたくさんいることが重要なのだ。
ICQ skypeに始まり、MS Messenger kakao LINE Pinger WeChat WhatsApp Viber hangout Instagram Direct BlackBerry Messenger iMessage threema vk.comMessenger snapchat telegram confide tiger text voxer kik Messenger Tencent QQ
むしろ、米国ではkikKik Messengerのほうが50%以上ユーザーをキープしている。約1億人としても5,000万人。なので、WhatsAppよりも1,000万人多いといえる。
「Kik Messenger」、登録ユーザー数が1億人に--10代の若者に人気
http://japan.cnet.com/news/service/35041369/
しかし、問題はある一定量を超えると、普通の人々が大量に参加し、空気の読めない活動をし始めると、従来のユーザーたちは、また、安住のプラットフォームを求めるのである。その繰り返しがインターネットの歴史である。
シンプルだけれども、豪華絢爛化すると、人々はもっと軽快に楽な方を志向したがるようである。mixi疲れ、twitter疲れ、facebook疲れと…。
インターネットの歴史もそのリッチ化とスリム化をすでに何度も繰り返してきている。
そして、なぜか4年周期説があり、8年毎にバブルが訪れている。
1996年 インターネットビジネス勃興 ICQ homepage
2000年 インターネットバブル崩壊 .comビジネス ドットコムバブル
2004年 Google IPO ウェブ2.0 Skype mixi GREE
2008年 リーマンショック バブル twitter
2012年 ソーシャルメディア勃興 facebook
2016年 ソーシャルメディアバブル WeChat LINE WhatsApp ?
おそらくfacebookの日本デビューを2010年と考えてみると、2014年の今年一杯がfacebookのピークといえるのではないだろうか?
ソーシャルメディアバブルまでには、あと2年ある。誰がfacebookの何十億ユーザーの資産を、ごっそりと受け継ぐのだろうか?
ユーザーが多いことは良いことだが、facebookよりも良い場所を一瞬にして告知することもできることがソーシャルメディアの本当の怖さだ。
マーク・ザッカーバーグは、それを知っているからこそ、自国以外のライバルを手中に入れたのだろう。