地域別の野菜摂取量のちがいをさぐる
野菜は日々の食生活においては欠かせない食材の一つ。日本では地域によって摂取量に違いは生じているのだろうか。厚生労働省が2017年3月に発表した「平成27年国民健康・栄養調査」の詳細結果から確認する。
その調査結果によれば、野菜類摂取量の平均値は132.2グラム/日。なお今件の野菜類とは緑黄色野菜や葉物、淡色野菜、さらには野菜ジュースや漬物も含まれる。果実類やいも類は含まれない。
それでは地域別で野菜類の摂取量に違いは生じているのだろうか。その実情を確認した結果が次のグラフ。なお「関東I」とは埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、「関東II」は茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県、「近畿I」は京都府、大阪府、兵庫県、「近畿II」は奈良県、和歌山県、滋賀県、「北九州」は福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、「南九州」は熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県が該当する。また、平均値は単純に各回答者の値を足して回答者数で割ったもの、中央値は回答者を回答値の順に並べて人数の上で半数の場所にいる人の回答値を示したものである。
全国平均摂取量は281.9グラム、中央値は252.3グラム。北海道は一段と低い値が出ているが、それを除けば大よそ西低東高の結果が出ている。これは北海道が低めの値を計上したのと合わせ、食塩の摂取量状況と同じであり、興味深い結果といえる。
平均値、中央値共に最高値を示したのは北陸、他方最少値は平均値では近畿IIだが、中央値は北海道。北海道は平均値と中央値の差が大きいことから、野菜類を食べている人は多量に食べ、そうでない人はあまり食べていないとの二極化傾向が強いようだ。
もっとも北海道の場合、野菜類や食塩に限らず、食品群そのものの摂取量が少ない結果が出ている。
平均的なエネルギー摂取量に違いは確認できないので(ミネラルや食物繊維、ビタミンなどはやや低め)、寒地ならではの食事情の結果が表れているのかもしれない。
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