現役転職エージェントが転職人気企業ランキングを読み解いてみた
「DODA転職人気企業ランキング2015」が発表
毎年発表される度に、facebookのタイムライン上で話題になる事が多い「DODA転職人気企業ランキング」ですが、
2015年度版が発表されたようなので、転職・キャリア支援を生業としております私としても、気になるニュースです。
1位〜3位については、トヨタ自動車、Google(グーグル)、SONYとトヨタが6年ぶりに1位になった点が話題になっているようですが、直近の営業利益・純利益が2年連続で過去最高と好調であったこと等良いニュースが続いた影響によるものと見られているようです。
三菱商事が13位、電通が14位など新卒でも人気な企業が上位に入っているようですが、インターネット企業の上位ランクイン・ランクアップが目立っていますね。
私自身も20〜30代の転職希望者と日々お会いしておりますが、若い方程、これからはweb・ITについての業務経験・スキルを得ておかねば時代に取り残されてしまうという危機感が強まっているようです。
人気企業ランキングの信憑性
私自身が在籍していたリクルートキャリア(ランキング上ではリクルートホールディングス)は4位から12位、サイバーエージェントも32位から45位と2014年より順位を落としてはいますが、引き続きランクインいました。
こういった人気企業ランキングは、新卒人気企業でも毎年注目を浴びるネタとなりますが、転職のプロである転職エージェントの視点で見た時に、実際のところ、ランキングの信憑性ってどうなの?と聞かれる事がたまにあります。
実際こういった人気企業ランキングは、そもそも認知度ランキングと置き換えてしまっても良いくらいで、以下のような手段で、普段の生活で目に触れる事が多い業界や企業は有利になります。
- そもそも企業の規模が大きく、その分、接点が多い
- 商品・サービスをよく使う、目にする、
- 経済新聞などニュースでよく話題にあがる
- 友人・知人が合コンでモテてる、給与が高いとよく聞く
- 採用を活発に行っている(求人広告や人材紹介会社経由でよく露出している)
信憑性云々以前の問題ですが、逆に言えば、こういったランキングの中で、
- サービスの利用人数も多くなく
- 特段給与も高いわけでもなく
- 企業規模(社員人数)自体もそこまで大きくない
上記のような条件を満たした会社が、もしランクインしていたら、その企業は本当に注目に値する何かしらの人気を秘めているのかもしれません。
そういった視点でランキングを眺めてみるのも面白いかもしれませんね。
人気企業は集客におけるキラーコンテンツ
こうした人気ランキングに実際に踊らされる人は多くはないと思いたいですが、実際、多くの人材企業が転職者や就活生を集める鉄板なコンテンツとして、年収アップと人気企業名があります。
都内の地下鉄・電車などの交通広告でもよくシールやのぼり形式の広告が出ていますよね。
新卒の採用イベントなどでは、有名企業からはイベント参画費用をほぼとらずに、学生集客のために、大手冠企業のバナー獲得に腐心しているなんて話もよく聞きます。
しかし、新卒はまだしも、中途・転職領域では、多くの人は未経験分野への転職が多く、経験分野内での転職でなければ、年収アップできる人はそう多くはありませんし、
前職・現職でどんな経験・実績を積んできたかで次の選択肢は、既に一定レベルでほぼ決まってしまっている、という現実があるわけで、こういったコンテンツは釣りである、といった冷静な視点で参考にするのが良いかと思います。
人材会社が提供する集客コンテンツはあくまで参考までにそのまま鵜呑みにせず、実際に採用するのは求人企業ですので、採用側の目線で、自分を、いくらの給与で採用するメリットがあるのかを客観的に考えてみるのが良いと思います。