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「150打数以上で0本塁打」は秋山翔吾だけ!? デビッド・フレッチャーは626打数で3本マイナス1

宇根夏樹ベースボール・ライター
秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)Aug 22, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、150打数以上を記録した選手は、394人を数えた。そのうち、ホームランがなかったのは2人。209打数(225打席)のマグノリース・シエラ(マイアミ・マーリンズ)と162打数(183打席)の秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)だ。

 これだけの打数がありながら打てていないと捉えるか、打てなくても他の面が優れているのでこれだけの打数(打席)を記録していると捉えるか――あるいは、両方の割合をどう考えるか――は、意見が分かれるところだろう。2人とも、出塁率とOPSは.290と.550に届かなかった。ともに外野を守り、センターをメインとしている。

 2017年にメジャーデビューしたシエラは、通算500打数(540打席)で0本塁打だ。秋山も、メジャーリーグ初本塁打はまだ打っていない。1年目の昨シーズンは、155打数(183打席)で0本塁打だった。ここ2年のどちらも150打数以上でホームランなしは、秋山しかいない。

 ベースボール・リファレンスによると、1901年以降にデビューした選手のうち、ホームランなしで最も多くの打数を記録したのは、1930~33年にボストン・レッドソックスでプレーしたトム・オリバーだ。通算1931打数(2073打席)で0本塁打。1942年までマイナーリーグでプレーした後、オリバーは、コーチやスカウトなどを長年務めた。

 21世紀以降では、2010年にデビューしたベン・リビアが、2014年5月27日に最初のホームランを打つまで、1465打数(1565打席)にわたって0本塁打のストリークを継続した。

 一方、今シーズン、規定打席以上の132人中15人は、ホームランが一桁だった(132人には、両リーグの合計打席が規定打席以上に相当する5人を含む)。15人のいずれも、ランニング本塁打は記録していない。

筆者作成
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 このなかで最も少ない、2本塁打の2人は、打数が大きく違う。デビッド・フレッチャー(ロサンゼルス・エンジェルス)は626打数(665打席)、ニッキー・ロペス(カンザスシティ・ロイヤルズ)は497打数(565打席)だ。

 ただ、フレッチャーのホームランは、2本でなく3本でもおかしくなかった。9月14日の2打席目に弾き返したボールは、レフトを守っていたイーロイ・ヒメネス(シカゴ・ホワイトソックス)に捕られなければ、フェンスを越えていた。ちなみに、フレッチャーの2本塁打は、7月9日と11日。ロペスは、8月19日と9月9日だ。

 なお、メジャーリーグでホームランを打たなかった日本人選手のうち、最も打数が多いのは、240打数(276打席)の大家友和だ。野手に限ると、233打数(254打席)の西岡剛が最多となる。また、初本塁打までに最も多くの打数を要したのは、川﨑宗則だ。通算247打数目(290打席目)に、最初で最後のホームランを打った。現時点の秋山は通算317打数(366打席)なので、このままホームランがなければ大家と西岡の記録を塗り替え、ホームランを打つと川﨑の記録を更新する。

 それぞれの日本人選手が、何打数目に初本塁打を打ったのかについては、今シーズンの開幕前にこちらで書いた。

「秋山翔吾は「メジャーリーグ初本塁打が最も遅かった日本人選手」になる!? 昨年は155打数で0本」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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