【橋本市(高野山エリア)】イナゴの美味しい季節になりました。昆虫食が気になる方に試してほしい
注意:本日の記事は昆虫食の記事です。写真もあるので、ダメな方はお戻りください。
私は、今はやりのテクノロジーの先にある昆虫食(フードテック)ではなく、もともと日本の和食文化や薬用利用の中にあった昆虫食の認知向上のための活動も10年前からしています。
今回は日本の米作りの歴史と共にあって数百年食べられてきたイナゴ(稲子)をご紹介。
イナゴは今が食べ頃。
草むらに行けばわんさか居ます。
昆虫食が気になるけれど、買うと高いし、どんなものが入っているかよくわからないし・・・という未経験の方にはぜひ自分で捕って試してほしい。
捕まえて、
※糞出しさせるかは個人の好き好き。佃煮にする場合は糞の苦みはあんまり影響出ないので、面倒くさい場合は省いて良い。糞といっても汚いものではなく、その材料はイネ科植物です。
↓
赤くなるまで緑茶かほうじ茶で湯がく
↓
一度取り出して、日本酒、みりん、砂糖、醤油で炒めて佃煮に仕上げる。
↓
イナゴの佃煮の完成!(写真はトノサマバッタも入っています。捕れたので一緒に調理しました)
私は甘味を強く仕上げるので、オヤツとしてつまんで食べています。
味はクセもなく、美味しい。いわゆる「佃煮」の味です。
また、昔ながらの炭火でイナゴをあぶって、醤油タレを絡めて食べるのも美味しいです。
豆知識A:バッタやイナゴは茹でると赤くなる理由
バッタやイナゴは、茹でると赤くなります。
その理由は、カニやエビと同じキチン質を殻に持っていて、その中にアスタキサンチンという色素があるからです。アスタキサンチンは、タンパク質と結合すると緑色になるという性質を持っていますが、熱を加えることで、タンパク質との結合がなくなり、赤色になります。
豆知識B
文中で「イナゴ」の名称ばかり使っていますが、「バッタ」と「イナゴ」の違いをご存知ですか?
直翅目バッタ科イナゴ属の総称がイナゴです。
分類上ではイナゴはバッタの一部の種類の仲間、つまり、バッタの中にイナゴが含まれています。
ただ、お米の稲を食べる害虫となるバッタ類を一般的には「イナゴ」と呼んできたので、分類上と日常会話ではイナゴの意味が違う場合があります。
一方で「バッタ」と「イナゴ」には分かりやすい見た目の違いがあり、捕まえてひっくり返すと、前脚の付け根の真ん中に先が丸まっている突起があるかないかで区別が可能です。
突起があるのがイナゴの仲間です。
私は「のどちんこ」があったらイナゴ、と覚えています。
豆知識C:高たんぱくで体に良い
・イナゴには抗酸化作用、抗アレルギー作用があり身体に良い食材と思われます。
※2020年に九州大学の先生に分析して頂きました。
・かつては薬としても使われていました。
①小児の疳、咳止め、解熱、貧血に用いる。
リンパ腺の腫れた時には、黒焼きにした粉末を、酢に溶いて紙に貼り、一日2回貼りかえる。
イナゴの味噌は痰の薬になる。
(出典:薬用昆虫の文化誌,東京書籍,渡辺武雄著,昭和57年)
②小児の驚風(キョウフウ:子供のひきつけ、脳膜炎など)、百日咳、破傷風、急性下痢など。栄養剤としても。
(出典:原色和漢薬図鑑,保育社,難波恒雄著,昭和59年)
※記事中ではイナゴの話ばかりしていますが、同時に捕れるトノサマバッタも美味しいので捕れたら一緒に調理してみて下さい。大きな個体は素揚げもオススメ。
※ただし、エビ・カニアレルギーの人は注意が必要