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「NHL史上最高の選手」と呼ばれるウェイン・グレツキーの偉大さを日本のスポーツファンに伝える言葉は?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
長野オリンピックにも出場したウェイン・グレツキー(写真:ロイター/アフロ)

オールスターゲームを終えた NHL は、昨夜(現地時間)レギュラーシーズンの後半戦がスタート。

オールスターゲームの前から、集客が振るわないカロライナ ハリケーンズや、ニューヨーク アイランダーズの移転の話題が、現地メディアの間で報じられていますが、ゲイリー ・ベットマン コミッショナーは、オールスターゲームのアメリカ国内でのテレビ視聴率が、前年比42%もアップしたとあって、意に介さない様子です。

▼オールスターゲームにやってきた「ザ・グレートワン」

視聴率のみならず、ロサンゼルスでの開催も手伝って、メディアの数も多かった今年のオールスターゲームですが、なかでも最も注目を集めたのは、何と言ってもこの人、ウェイン ・グレツキー(56歳)です !!

現役時代のグレツキーは、エドモントン オイラーズを皮切りに、ロサンゼルス キングス、セントルイス ブルース、ニューヨーク レンジャーズの4チームに在籍し、NHLで20季にわたってセンターフォワードとしてプレー。

歴代最多の「894ゴール」「1963アシスト」をマークしただけでなく、レギュラーシーズンのMVPに14回。プレーオフのMVPにも2度輝くなど、功績を称えると枚挙にいとまがないほどで、殿堂入りも果たした「NHL史上最高の選手」なのです。

これほどまでの記録を残したことから「ザ・グレートワン」の異名をとったグレツキーは、NHL創設「100年目」に際して選ばれた、各年代ごとの「100人」のベストプレーヤーに名前を連ね、オールスターゲームに併せて行われたイベントに招待され、ロサンゼルスへやってきました。

▼オールスターゲームのヘッドコーチに急きょ就任

当初は「スペシャルゲスト」の予定だったグレツキーですが、メトロポリタン ディビジョンのヘッドコーチ(HC)務める予定だったジョン ・トートレラ(コロンバス ブルージャケッツHC)が、直前になって辞退したため、急きょHCに任命されました。

アリゾナ(当時はフェニックス)コヨーテスの HC 時代のグレツキーは、4季にわたって指揮を執りながら、一度もプレーオフに勝ち上がれませんでしたが、オールスターゲームとなると話は別。

10季ぶりに揃って出場した NHL屈指のスタープレーヤーアレックス・オベチキン(ワシントン キャピタルズ)と、シドニー・クロスビー(ピッツバーグ ペンギンズ)を同じラインでプレーさせるなどして、スタンドの盛り上げに一役買っていました。

※両選手が屈指のスタープレーヤーと呼ばれる理由は

をご覧ください。

▼グレツキーの偉大さを日本のファンに伝える言葉は?

NHLやアイスホッケーに詳しくなくても、「グレツキー」の名前を耳にしたことがある人も、いらっしゃると思いますが、どれだけの功績を残した選手だったのかは、ほとんどの方がご存知ないのでは?

前述したとおり、NHL歴代トップの成績を残したと言われても、比較する選手を知らなければ「???」でしょうから、視点を変えて紹介すると、、、

1988年8月9日に、ロサンゼルス キングスへのトレードが発表されると、メディアが一斉に報じたのに続いて、

「アメリカのチームへのトレードは看過できない」との議論が、カナダの議会で行われたほどの選手

であったり、

現役時代の背番号「99」が、所属したチームだけでなく、NHLの全てのチームで永久欠番に定められた選手

でもあるのです!

背番号99はNHL全チームで永久欠番に(Rights of Jiro Kato)
背番号99はNHL全チームで永久欠番に(Rights of Jiro Kato)

それでも、まだ「今一つピンと来ないなぁ」という人には、かつて長年にわたってアイスホッケー専門誌の編集を司っていた方が、グレツキーを評していた言葉を紹介しましょう。

「ウェイン・グレツキーは、王と長嶋を足して、二で割らない選手」

これならば、グレツキーを知らなくても、ひとまず「偉大な選手なんだなぁ」と伝えることができるのでは???

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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