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【葛飾区】真っ赤なヒガンバナが石仏群を厳かに彩る…奥戸の「宝蔵院」でヒガンバナの群生が見頃

ASA24ライター/英和・和英翻訳者(東京都葛飾区)

奥戸にある真言宗豊山派の寺院「宝蔵院」は、ヒガンバナの名所として花の愛好家に知られています。今年は猛暑で開花が遅れていましたが、現在、境内ではあちこちで鮮やかな赤いヒガンバナが見事に咲き、石仏群を美しく彩っています。
(写真はすべて2024年9月28日撮影)

宝蔵院の山門
宝蔵院の山門

新中川に架かる奥戸新橋のすぐそばに、落ち着いたたたずまいの宝蔵院があります。右手に立つ堂々たる鐘楼を見上げると、石垣の土台のもとに赤いヒガンバナがずらりと咲いており、山門を照らす明かりのように見えます。

鐘楼の石垣の下を彩るヒガンバナ
鐘楼の石垣の下を彩るヒガンバナ

木陰の中をそよ風が吹き抜ける境内へ足を踏み入れると、参道の左側では赤いヒガンバナがぽつりぽつりと咲き始めており、背後に建つ薬師堂に映えています。堂内には「式部薬師」と呼ばれる木造薬師如来立像が安置されており、真っ赤なヒガンバナがお薬師様に祈りを捧げているよう。静謐な空気が漂います。

参道のかたわらで咲き始めたヒガンバナと薬師堂
参道のかたわらで咲き始めたヒガンバナと薬師堂
緑豊かな参道の左手を彩るヒガンバナ
緑豊かな参道の左手を彩るヒガンバナ

薬師堂へ向かう参道を進み、右へ曲がると、階段の上に建つ立派な本堂が目に飛び込んできます。本堂へ至る参道の左側には、赤い頭巾と前掛けをつけたお地蔵様と、数多くの石仏が立ち並んでおり、厳かな雰囲気。石仏群の前には真っ赤なヒガンバナが群生しており、見事な眺めになっています。仏様に静かに祈っているようなヒガンバナを撮影するため、スマホやカメラを手にした人が、次々に足を運んでいましたよ。

参道の左にずらりと咲くヒガンバナと本堂
参道の左にずらりと咲くヒガンバナと本堂

お地蔵様をヒガンバナが彩る
お地蔵様をヒガンバナが彩る

この一群の石仏は、長い年月の間に無縁仏となったり、明治維新の際の廃仏毀釈により泥土の中に埋められたりしたもの。後に掘り起こされ、この場所に祀られました。数奇な運命を経てこちらに居場所を得た仏様を、ヒガンバナが癒しているような光景に、心が温まります。

石仏群の前を染めるヒガンバナ
石仏群の前を染めるヒガンバナ
厳かな石仏に赤い花が映える
厳かな石仏に赤い花が映える

緑豊かな境内には、多くのチョウも飛んできます。この日もアゲハチョウがひっきりなしにやってきては、ヒガンバナの蜜を吸っていました。

ヒガンバナの蜜を吸うアゲハチョウ
ヒガンバナの蜜を吸うアゲハチョウ

石仏群を彩るヒガンバナは、これからどんどん咲き進んでいきます。宝蔵院へお参りに訪れて、秋の鮮やかさを感じてみるのはいかがでしょうか。緑あふれる境内には、初秋の現在も蚊が飛んでいるので、虫除け対策もお忘れなく。

名称: 宝蔵院
所在地: 東京都葛飾区奥戸8-5-19
アクセス: JR新小岩駅から京成タウンバス 新小岩東北広場(12番乗り場)より市川駅行き(新小52)で「奥戸新橋」下車、徒歩約2分/京成線 四ツ木駅から京成タウンバス 市川駅行き(新小52)で「奥戸新橋」下車、徒歩2分
宝蔵院への行き方(葛飾区公式HP): https://www.city.katsushika.lg.jp/faq/1030281/1007672/1012501.html

ライター/英和・和英翻訳者(東京都葛飾区)

出版社に11年勤務後、2009年にシンガポールに転居。東南アジアの文化と料理にハマる。2013年に帰国した後は日本文化に改めて関心を深め、今は東京の下町情緒が大好き。葛飾区の素敵なところをどんどん広めたいです。

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