【東京都杉並区】巨大「つくね」に舌鼓!西荻窪の駅近に佇む、空腹を満たす至福の焼き鳥屋。
焼きとり よね田(西荻窪本店)
JR西荻窪駅の南口を出て『松屋』の角を左に入る。居酒屋などの飲食店が居並ぶサカエ通りで、赤提灯がひときわ目立つ一軒家造りの店が、2007年の春に創業した『焼きとり よね田』だ。
この場所と建物が、2006年までは『登亭(のぼりてい)』というトンカツ屋であったことを知っている人は、そう多くはいないだろう。
実は自分も学生時代にお世話になっていた一人で、恰幅のいい親父さんが油まみれになりながら、素手でフライを揚げていた光景が今でも目に浮かぶ。「安くて腹一杯になる!」と週に何度も通ったのは、おそらく自分だけではないはずだ。
”『登亭』の遺伝子を引き継いでしまった?”と勝手に想像しているのだが、この『よね田』もまた、常に小腹を空かして臨むべき焼き鳥屋だと思う。
若くしてこの店を創業した米田研介さんは、「おいしくて元気になる焼き鳥をリーズナブルに!」をコンセプトにして店を始めたと言う。確かにどのメニューも、並の焼き鳥屋ではお目にかかれないくらいのボリューム感がある。
中でも特筆すべきなのが、開店当初からの名物である「つくね」だ。その巨大さが『よね田』の名前を中央線界隈に知らしめたと言っても過言ではない。敢えて”ジャンボつくね”などとは命名せず、当然の如くメニューに並べているのが何とも潔い。
『よね田』の焼き鳥は、どれもこれもひと串ひと串が大振りである。滋味豊かな大山鶏を使用し、噛み締めるたびに肉と脂の味わいが口の中に広がる。備長炭でじっくりと焼き上げられ、立ち込める香ばしい匂いがたまらなく食欲をそそる。
今回の主役の「つくね」(1本350円)は、注文が入る都度、ミンチ状の鶏肉を串に巻きつけ、形を整えて後に焼かれる。焼き台が見る見るうちに肉塊で占領されて行く様は、脇から眺めていても壮観だ。
男性の拳ほどの大きさがあり、1本あたり200グラム近くはあろうかという巨躯は、もはやハンバーグの領域ではあるまいか。
刻みネギがたっぷりと添えられ、大抵は注文の最後にラスボスの如く「つくね」が登場する。
シンプルな塩味が自分は好み。バーナーで炙る目玉焼きやマヨネーズのトッピングも可能だが、その場合はタレ味のほうが良くマッチするように思う。
豪快にかぶりつきたくなる気持ちを抑えつつ、4本の串を両手で2本ずつ持ってゆっくりと押し広げ、半分に割ると食べやすい。串は回しながら抜くのがコツだ。
中までしっかりと火が通っていながら、外側はカリッ!中身はふっくら!!
”つなぎ”などは一切使われておらず、甘味のあるミンチ肉が、練り込まれた軟骨のコリコリとした食感と相まって、たまらなく旨い!
当然、焼き上がりまで時間を要するため、店員も注文の最初にデフォルトで聞いてくる。
「つくね」も入れてあれこれ頼み過ぎると後悔する羽目になるので、くれぐれもご注意を。
つくねは”限定1人1本”が原則となっているのだが、よほどの大食漢同士でない限り、ふたりで1本頼むのが適量であろう。
焼き鳥にもいろいろ種類がある。「鳥レバー」(200円)、「鳥皮」(170円)、「砂肝」(180円)、「はつ」(170円)、「ねぎま」(210円)、「ボンジリ」(180円)、「なんこつ」(250円)、「ささみ」(230円)、「手羽先」(260円)などを用意する。鶏肉以外では「豚上タン」(250円)、「豚バラ」(250円)、「牛ハツ」(250円)なども捨て難い。
「マグロ」(大・120グラム580円、小・80グラム440円)、「カナダ産馬刺し」(50グラム520円、100グラム690円)や「牛すじと大根の煮込み」(大・580円、小・440円)なども人気のメニューだ。
他にも、その日のおすすめがホワイトボードに掲示されるのでチェックしておこう!
アルコールやドリンク類も良心的な値段設定。ついつい飲み過ぎてしまわぬ様、こちらもご用心されたい。
ドリンクメニューもいろいろ揃っているが、焼き鳥に合うのはやはりホッピー(白・黒 セット各450円)だろう。この店ではホッピーグラスではなく、ビールジョッキで提供される。
開店当初は「宝焼酎」オンリーだったこの店に、”ホッピーと相性がいい「金宮焼酎」を置いて欲しい”と我が儘を言ったのは、何を隠そう自分である。(笑)
2階にはテーブル席の座敷があり、10名くらいまでは座れる。14席ほどの1階は予約不可なのだが、こちらは基本的に前日までなら予約が可能。グループで貸し切りにしたい時や、3人以上で行くなら2階がおすすめだ。
1階は厨房を囲むようにカウンター席やテラス席が配置されている。店先のカウンター席は、雨風を防ぐためのビニールシートで覆われるが、焼き台を眺められる絶景スポットでもある。
2012年には中野店が、2014年にはJR西荻窪駅北口に『焼肉よね田』(9月15日現在、改装のため休業中)がオープン。中野店のメニューは、ほぼ本店と一緒なのでもちろん名物の「つくね」も賞味できる。
なお、「つくね」は早い時間帯には売り切れ必至なので、遅い入店の場合は諦めざるを得ないと覚悟しておいて欲しい。ただし、運良く「その日のメニュー」に”しいたけの肉詰め”が載っていたら、「つくね」に使うミンチが味わえることも覚えておきたい。
さてさて、今宵も大満足。ご馳走様!