【高野町(高野山エリア)】うんちを食べ、キラキラと輝きを放つ歩く宝石。美しすぎる糞虫
高野山を歩いていて、たまたま下を向いたら居ました。
キラキラした光沢のある姿が宝石のように美しい「オオセンチコガネ」。
成虫は野生動物の糞を地中に運び、それに卵を産みつけます。そして、幼虫は親から与えられた糞を食べて成長します。動物の死骸も食べます。
死骸や糞を細かく分解することによって、それらが土に戻ることができ、自然界の循環を支えていて、森に必要不可欠な分解者です。彼らは「糞虫」とも呼ばれます。
オオセンチコガネは背面・腹面ともに金属光沢を帯びた美しい甲虫です。
地域によって成虫の体色・色調に変異が認められるため、それぞれに型(個体群)としての名前がつけられています。特に近畿地方ではこれら3つの型が地域的に棲み分けており、場所によって色が変化します。
体色の色調や分布地の概要は以下の通りです。
●オオセンチコガネ(標準)
背面は金紫色~赤銅色~銅緑色で、腹面は緑色がかった赤紫色~明るい金緑色。各地で分布。もっとも普通の色。
●ミドリセンチコガネ
背面は銅緑色~金緑色または緑色~藍緑色、腹面は赤紫色または緑色~藍色~紫色で金属光沢。京都府南部、滋賀県南部、三重県北部に分布。
●ルリセンチコガネ
背面は藍緑色~藍色~紫色で金属光沢を帯び、腹面も紫藍色~紫色。奈良県・和歌山県・三重県南部に広く分布。
同じ種でありながら地域によって色彩が異なっている理由については、調べてみましたが、まだはっきり分かっていないようです。
ミステリアスな昆虫ですね。
歩く宝石を自宅でゆっくり観察したいと思いましたが、うんちを食べるので自宅で飼うのも難しいです。虫ともご縁で、一期一会の目の保養をさせてもらいました。