奴隷解放の英雄が暗殺された理由…先進国アメリカの大統領事情を紹介
アメリカ合衆国は、マイクロソフト(Microsoft Corp)やアップル(Apple Inc.)、アマゾン(Amazon.com)など、現代を生きる私たちの生活に欠かせない電子製品や物流技術で経済を支える先進国のひとつです。
一方、1492年に先住民族が住んでいたアメリカ大陸をコロンブスが発見して以降、さまざまな国の植民地化を経て1776年に建国した歴史の浅い国でもあります。
本記事公開時(2024年4月)から7ヶ月後には、新たな大統領を決める「アメリカ大統領選挙(2024年11月)」が開催されるということで、今回は歴代のアメリカ大統領を1人ピックアップして紹介したいと思います。
暗殺された人民主義の大統領
初代大統領の「ジョージ・ワシントン」からはじまり、現在までに46名がアメリカ大統領に就任。このうち「エイブラハム・リンカーン」「ジェームズ・ガーフィールド」「ウィリアム・マッキンリー」「ジョン・F・ケネディ」は暗殺されるという悲劇に見舞われています。
とくに「奴隷解放」に尽力した人民主義の16代大統領「エイブラハム・リンカーン」は、奴隷たちのヒーロー的存在です。
そんな彼が暗殺されたのは1865年4月14日。アメリカの首都ワシントンD.C.のフォード劇場で家族と観劇中に後頭部を撃たれて致命傷を負ったリンカーンは、その後に医師の治療を受けたものの銃撃から8時間後に意識不明のまま息を引き取りました。
犯人の正体
本事件の主犯は役者の「ジョン・ウィルクス・ブース(以下、ジョン)」。1861年〜1865年にかけて、奴隷制度・関税問題をめぐり北部商工業者と南部綿花栽培業者が対立した「南北戦争」で南側を支持した人物です。
南北戦争で北部が優勢になり、南北戦争の勝敗を悟ったジョンは不安や不満を抱き犯行に及んだのでした。
彼は事件直後に現場から逃走しましたが、10日後に発見され射殺されています。
ジョンや犯行に協力した共犯者たちは大統領であるリンカーンだけでなく、当時の副大統領や国務長官の暗殺も企てていましたが、こちらの計画は失敗しました。
歴代のアメリカ大統領の約12人に1人が暗殺されている現実を考えると、それだけで立候補したくないという人もいるかもしれませんが、命を懸けてでも改革したいという熱い想いを持った者だけが国のトップとして選ばれるのでしょう。
2024年11月におこなわれる「アメリカ大統領選挙」も、目前。注視しておきたいものですね。
また、広島県福山市にある福山自動車時計博物館には、アメリカ大統領のジョージ・ワシントンやエイブラハム・リンカーンなどの精巧な蝋人形が展示されています。歴史を学ぶキッカケにぜひ訪れてみてください。
■ 福山自動車時計博物館
年中無休(年末年始も開館)
AM9:00~PM6:00