預貯金率は59.9%…20代の預貯金事情をさぐる(2024年公開版)
若年層はあまり消費をせずに貯蓄欲が旺盛との話を聞く。実際にはどれぐらいの人達が預貯金などをしているのだろうか。また、預貯金を続けるためにどのようなことをしているのか。SMBCコンシューマーファイナンスが2024年1月に発表した調査結果「20代の金銭感覚についての意識調査2024」(※)から、20代における預貯金の実情を確認していく。
次に示すのは調査対象母集団に対して、預貯金や貯蓄型保険の加入をしているか否かを尋ねた結果。
調査対象母集団では59.9%が預貯金をしている、14.6%が貯蓄型保険に加入していると答えた。平均金額は預貯金が月額37152円、貯蓄型保険が13814円。預貯金をしている・貯蓄型保険に加入している人限定の平均金額だが、結構な額のように見える。預貯金だと年間445824円になる。おそらくはボーナス時の上乗せもあるだろうから、年間50万円ぐらいは貯められるものと思われる。
貯蓄型保険は単純に貯蓄だけでなく万一の時の保険の役割も果たすため、純粋な預貯金と比べれば効率は落ちるものの、安心を得る点が大きなメリット。家庭を築き子供が生まれた時に、貯蓄型保険の一種である学資保険に加入するのはよく聞く話ではある。
預貯金にしても貯蓄型保険にしても、定期的に入金・支払いをする必要があるため、お財布事情によっては信念がゆらぎ、断念を考えることもあるだろう。その誘惑を乗り越え、預貯金を続けるために、どのような工夫をしているのだろうか(貯蓄型保険は手続きをしない限り自動的に支払い手続きが行われるため、続ける工夫の対象ではないようだ)。なお今設問は直近年の調査では対象外となったため、前回年のものを流用して確認する。
もっとも多くの人がしている工夫は「定期的に通帳残高を見る」で42.1%。自分のこれまでの成果を確認し、ここまでできたのだから今止めてしまうのはもったいないと自分に言い聞かせるのだろう。お金を一円も使うことなく可能な、効果の高い預貯金継続のためのアクションに違いない。「預貯金額をグラフ化する」の11.0%も可視化との観点ではほぼ同義。
ついで「毎月一定金額を預貯金する」で32.1%。むしろ預貯金を続けている人はこれが大前提な気がするのだが(それこそ定額制積立預貯金など)、自分自身で毎月決めた金額を入金する人も多いようだ。習慣化することで、挫折を回避する次第である。これを自動化して勝手に入金するのが「定期預金を利用する」で16.3%。「自動貯金サービスを利用する」もほぼ同義となる。
次に「目標金額を設定する」が31.6%。目標金額を設定しておけば、現状の金額からどれぐらい離れているか、近づいているかが明確化するため、預貯金へのモチベーションも高まるかもしれない。また、単純な金額ではなく、欲しいものを買うための金額ならば、やる気はさらに上がり、預貯金継続の意思は強まるに違いない。
預貯金は継続期間が長ければ長いほど、結果も大きなものとなる。わずかな金額でもいいので、継続しての預貯金をお勧めしたい。
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※20代の金銭感覚についての意識調査2024
2023年12月13日から15日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の区切りで均等割り当て。未婚者826人、既婚者174人。調査協力機関はネットエイジア。
今調査における「年収」とは特に設問中で定義がされていないため、世間一般に認識されている通り、手取り(所得)ではなくサラリーマンなどなら天引きされている税金や社会保険料を含めた金額を意味するものとする。また、世帯「主」年収ではなく、世帯年収であることに注意。回答者が所帯持ちだった場合、配偶者の収入も合わせてカウントされる。
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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。