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取引先に訪問する際のアポイントの取り方|「いつがいいですか?」と尋ねてはダメな理由

太田章代新人育成トレーナー

取引先を訪問する際は、基本のマナーとして、事前にアポイントメント(約束)を取ってから伺います。思いがけなく時間が空いたからといって、突然「今日伺ってもいいでしょうか」と言われては、相手も困惑してしまいます。

アポイントの電話だけでも、こちらの人柄は推し量られています。

私は、前職では営業をしており、500件の顧客を担当していました。もちろん、アポイントを取ったのち、顧客を訪問していました。アポイントは契約への第一歩ですので、どのように伝えるのか準備してから電話をしていました。

ここではアポイントの注意点と、訪問日程をスムーズに決めるためのアポイントの取り方をご紹介します。

電話でアポイントを取る時の4原則

アポイントの電話をかける際、真っ先に考えることは「相手の都合」です。

(1)電話の時間は相手の都合を考えて

まず大切なことは、電話をかける時間帯です。電話がかかってくれば、仕事の手が止まってしまいます。さて、相手の立場として、電話がかかってきて不都合のない時間はいつでしょうか。

一般企業の場合、避けたいのは「始業直後」「お昼休み」「終業間際」です。就業時間が9~17時の場合、アポイントの電話に適しているのは「10:00~12:00」「13:00~16:00」です。

飲食店の場合、一般的にはアイドルタイムと言って「14:00~17:00」に時間が空きがちなので、この時間帯に電話をするといいでしょう。

(2)訪問の目的と所要時間を伝える

電話がつながったら、次に伝えることは、「訪問の目的」と「所要時間」です。相手は、訪問のためにわざわざ時間をつくって会ってくれるのですから、有益でない約束はしたくなくて当然です。友人から「明日空いてる?」と聞かれると、空いていても用件により「空いている」と言いたくない時ありませんか。仕事では、訪問の目的をしっかりと伝え、有益な時間となることを理解してもらいましょう。

(3)日程は相手のスケジュールを優先する

「相手の都合を優先する」とはいっても、「いつにしましょうか」と尋ねればいいというわけではありません。日程の決定をすべて相手にお任せしてしまうと、提示すべきスケジュールが多すぎて、かえって面倒に感じさせてしまいます。

そこで、「来週伺いたいのですが、ご都合はいかがですか」など、期間を絞って尋ねた方が、相手もスケジュールを提示しやすくなります。

また、相手から提示された日程がこちらの都合と合わないことも十分にあり得ます。「相手の都合を優先する」からといって、必ず全ての都合を合わせないといけないわけではありません。

たとえば、提示された日程に社内の会議が予定されていたら、「申し訳ございません。10月27日10時はあいにく予定が入っております。15時以降でしたら伺えますが、いかがでしょうか」と代替案を伝えます。

(4)同伴者がいる場合はあらかじめ伝えよう

訪問の前に、相手は資料やお茶を用意してくれているかもしれません。たとえば、「上司も一緒に訪問する」などの場合は、あらかじめ同伴者がいることを伝えておきましょう。

電話アポイント例文

では、具体的に電話で訪問のアポイントを取る際の話し方をお伝えします。

自分「いつもお世話になっております。◯◯社の△△と申します」

相手「いつもお世話になっております」

自分「□□様、今お時間よろしいでしょうか」

相手「はい、いいですよ」

自分「ありがとうございます。先日ご依頼いただいた提案書ができましたので、弊社部長の××と一緒にお伺いしたいと思っております。1時間ほどお時間をいただきたいのですが、来週のご都合はいかがでしょうか」 

(もし提示された日程と合わなかったら)

自分「申し訳ございません。3月9日(木)10時はあいにく予定が入っております。午後でしたらお伺いできますが、いかがでしょうか」

まとめ

現在取引があっても、良好な関係が続くとは限りません。ちょっとした事で信用を無くしてしまう事もあります。商品も価格もそれほど違いがないなら、対応の良い営業に仕事を頼みたいと考えるのが人情です。

取引先との良好な人間関係を保つには、アポイントひとつも疎かにはできません。重要なポイントを確認し、基本的なアポイントの取り方を練習してから電話をするようにしましょう。

アイキャリア株式会社

研修トレーナー太田 章代

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太田章代の『ビジネスコミュニケーション術』

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新人育成トレーナー

愛知県岡崎市出身。損害保険会社の事務員から広告代理店の営業職に転職。入社2年目から6年連続売上トップ。32歳で統括本部長に抜擢。50人の部下を指導する。35歳代表取締役に就任。その後、2006年人材育成事業で独立。現在まで研修&講演に2,000本以上登壇。離職率の低下や、職場のコミュニケーション改善などで成果を上げる。独自の体験型講演が好評をいただき、講師評価98.7%でリピート率も高い。研修&講演を通して【働くを楽しむ】社会創りに貢献するという使命のもと、日本全国で精力的に活動中。

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